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越谷市 Koshigaya City

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更新日:2016年6月14日

ページ番号は58612です。

尼僧プロレスラー 雫有希さん

プロレスと仏教をこれからももっと究めていきたい!

ある時は縦横無尽にリングを駆け巡り、技を決める女子プロレスラー。ある時は仏様の前で念仏を唱える僧侶。そしてさらには慈善事業団体の主宰者という顔も持つ尼僧プロレスラー雫有希さん。その多彩な活動に込められた思いを伺いました。

プロフィール

昭和61年10月31日、神奈川県川崎市生まれ。越谷市在住。上智短期大学および慶應義塾大学卒業。大学時代にレスリングをはじめ、4年生のときに全日本学生レスリング選手権大会67キロ級で銀メダルを獲得後、女子プロレスラーとして本格デビュー。現在はプロレス団体「マーベラス」所属。平成24年に僧侶の資格を取得し、親が住職を務める寺で僧侶として活動するほか、慈善事業団体「きらきら太陽プロジェクト」を主宰し、恵まれない子どもたちへの支援を行っている。

女子プロレスとの出会いは偶然観たテレビ中継

雫さんが女子プロレスに出会ったのは中学生の時。たまたまつけたテレビで放送していた試合中継を見たことからでした。「コスチュームの華やかさ、お客さんを湧かせる技や駆け引き。見ているうちにどんどん女子プロレスの楽しさにのめり込んでいきました。中学・高校時代の私は引っ込み思案な性格で、学校の友人関係にも悩んでいました。だからこそ観客を楽しませる華やかな世界を見ることで、落ち込みがちな気持ちが晴れたし、すごく勇気をもらいました」。
テレビだけでなく試合会場にも足を運ぶほどのプロレスファンになっていった雫さんは、次第にプロレスラーになりたい!という夢を持つようになります。
「高校卒業が近づいたある日、母にその夢を伝えたら、母はいきなりプロではなくて、アマチュアレスリングを極めてからプロに行きなさいと言ったんです。後で知ったのですが、実は母はプロレスをやらせたくなくて、レスリングというキツいスポーツをやったら諦めるだろうと思ってそう言ったらしいんですよ」。
そんなお母さんの願いとは裏腹に、雫さんは厳しい練習を乗り越えて、大学最後の年に全日本学生レスリング選手権大会67キロ級で銀メダルを獲得するという結果を残し、女子プロレスラーへの道を歩み出します。

試合のオファーがなくレスラー生命危機を経験

雫さんの最初の女子プロレスデビューは大学在学中の20歳のとき。しかし、所属したプロレス団体の上下関係の厳しさに耐えきれず、1年も経たないうちに退団。その後は学生レスリングと学生プロレスに情熱を燃やし、大学卒業を機に団体に所属しないフリーのプロレスラーとして再デビューされたそうです。
「フリーのプロレスラーは、いろいろな団体から声を掛けてもらって試合に参加するスタイル。ですから1カ月に何試合もする忙しいときもあれば、1試合もないというときもある。一時期、試合のオファーが全く途絶えてしまった時は、レスラー生命の危機を感じましたね」。
コンスタントに試合をするために団体に所属することを真剣に考えはじめたとき、女子プロレス界のカリスマ・長与千種さんが率いる団体「マーベラス」から誘いを受け、昨年入団を果たしました。「長与さんのプロレスに対する想いの強さは本当にスゴイ。すばらしい大先輩がいる団体に入れたのは光栄です」。

突然やってきた寺を継ぐ運命

そしてもうひとつの雫さんの顔は僧侶。親の実家であるお寺は元々親戚が継いでいましたが、その方に子どもがなく、雫さんの親御さんが住職を引き継ぐことに。それによって寺の後継者となったのは、雫さんが18歳のとき。「突然だったし、仏教のことも知らないし、すごく反発しました。でも好きでもないお坊さんと結婚して継がされるくらいなら自分が僧侶になるほうがいいと思って、僧侶の資格を取ったんです」という雫さんは、現在レスラーとしての活動を優先しつつも、檀家さんを集めて月1回行う「念仏会」や法要など、僧侶の務めにも力を注いでいます。

二足のわらじが生んだチャリティー活動

雫さんは平成25年から「きらきら太陽プロジェクト」という恵まれない子どもたちへの支援を行う慈善事業団体を主宰しています。
「このプロジェクトを作るきっかけになったのは、22年にお寺で開催した縁日プロレス。近年若い人がお寺離れしていることもあって、お寺で毎年開く縁日が寂しいものになっていたので、人集めとして境内でプロレスをやろうと。その縁日に募金箱を設置して、うちのお寺と関わりのある寺の乳児院に寄付しました。それ以来、縁日だけでなく、年に4回ほどチャリティープロレスの興行を行っています」。
そしてさらにプロジェクトの幅を広げるべく、雫さんがいま取り組んでいるのがカウンセラー資格の取得。「宗教には人の悩みを救う役割もあるはず。僧侶が悩み相談に答えるインターネットのサイトがあるのですが、そこでの僧侶の解答は仏教の小難しい解釈で教え諭すのが多くて、一般の人にはすごく分かりにくい。そういうスタンスが仏教の敷居を高くする原因でもあり、お寺離れを助長していると思います。私はもっと悩んでいる人に寄り添って、悩みを解消するための気付きを一緒に導いていきたい。そのためにきちんとカウンセリングを学んで、近い将来「きらきら太陽プロジェクト」の中にカウンセリング部門を作りたいと思っています」。

レスラーと僧侶の共通点は他者を受け入れること

静と動という対極にも思える僧侶とプロレスラー。そこには共通点があると雫さんは言います。
「僧侶は人の悩みや苦しみを受け止めて導くのが役割。プロレスは相手の技を受け止める中で勝機を見出すスポーツ。他者を受け入れるという姿勢は同じなので、私の中では2つの仕事に違いは感じません」。
今年の8月にも越谷市内で「縁日プロレス」が開催される予定。縁日には毎回500人くらいの人が訪れるそうです。
「縁日だけでなくプロレスの興行をする会場はどこでも、子どもが泣いたり騒いだりしても全然かまわない場所なので、プロレスをよく知らない方々も気兼ねなく家族みんなで来て、楽しんでほしいですね」。
華やかな衣装を身にまとい、観客が思わず歓声を上げてしまうようなエンターテイメント性の高いプロレスを披露してくれる雫さんの雄姿を、ぜひ間近で見て、応援してください。

インタビュー記事のダウンロード

広報こしがや季刊版 平成28年夏号(平成28年6月15日発行)に掲載

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ファクス:048-965-0943

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