こんにちは!1歳の娘の母、Lisaです。娘が生後半年くらいになった頃、少しずつ絵本を読んでみようかなという気持ちになったのですが、子どもの月齢に合った絵本がわからなかったり、なかなか絵本に集中してくれなかったり悩みました。そんなときに「あいのみ文庫」に出会い、娘がお気に入りの絵本をたくさん見つけるきっかけになりました。
今回は「あいのみ文庫」を訪ね、文庫の方にお話を伺いました。
あいのみ文庫とは
文教大学越谷キャンパスの図書館に併設されているあいのみ文庫は、地域の子どもたちが自由に本と触れ合える貴重な場所として1982年4月に設立されました。
あいのみ文庫は、大学図書館という公共のスペースを活用しながらも、「家庭文庫」が持つ精神を受け継いでおり、親しみやすさやきめ細やかな関わりを大切にしています。家庭文庫とは、個人宅の一室などを開放して地域の親子に本を貸し出したり、読み聞かせを行ったりする小さな図書室です。あいのみ文庫は個人宅ではなくより多くの人が気軽に訪れることができる開かれた地域文庫として、多くの親子に利用されています。
毎週木曜日の14時から17時、そして今年の4月から試験的に最終土曜日の10時から12時に開庫しており、絵本の読み聞かせや、スタッフの皆さんとの交流を通して、子どもたちの読書への興味を育んでいます。
あいのみ文庫の特徴①豊富な絵本のラインナップ
あいのみ文庫の本棚は対象年齢やジャンル別に分かれていて、幅広い年齢の子どもが本を探しやすい環境になっています。また、分かりやすい場所に新刊を展示していたり、季節に合った本が特集で紹介されていたりします。
あいのみ文庫の特徴②専門スタッフの温かいサポート
あいのみ文庫のスタッフは、元々児童文学や読み物が好きでこの活動に引き込まれていった方や、長年子どもの保育に携わっている方、編集のお仕事をされていた方など、様々なご経験を経て文庫に携わっています。
皆さん絵本に大変詳しく、月齢に合った絵本など気軽に相談に乗ってくれます。中には司書や絵本専門士の資格を持つ方もおり、絵本を通じて子どもたちの心が育つのを応援してくれます。
私も当初は絵本をどんなトーンで読んだらいいかわからなかったのですが、スタッフの方が最初の数ページを読み聞かせてくださるのを聞いたりして、家でも真似しています。わらべうたの絵本のときは、どんな歌か聞くと教えてくれるので、家に帰って忘れないうちに歌って聞かせています。それに、おぼえていなければ皆さんの自由なメロディーでうたってもいいと教えてくださり、安心できました。
あいのみ文庫の特徴③地域に根ざした活動
読み聞かせイベントや子育てに関する情報提供など、地域の子育て家庭を応援する様々な活動を行っています。例えば「わくわく絵本教室」では乳幼児を持つ親に向けて、わらべうたや絵本の楽しみ方を伝えています。別室で託児をしてくださるので、大人は集中して講師の方のお話を聞くことができます。他にも様々なイベントが開催されていますので、ホームページやInstagramを確認してみてください。
「あいのみ文庫」絵本のプロに聞く、絵本の大切さ
絵本の読み聞かせが子どもに与える「心の栄養」
デジタル化が進む昨今ですが、絵本の読み聞かせの重要性はますます高まっています。文庫のスタッフの皆さんが口を揃えて語るのは、「親の声で語りかけること」の大切さです。
代表の柿﨑美枝子さんは、例えば寝る前の読み聞かせについて、「お父さんやお母さんが自分のために一緒に寝床に入って読んでくれるのは、子どもにとってすごく嬉しいことなんです。その温かさ、喜びの積み重ねがものすごく大きい」と話します。
絵本のスタートは何歳から?
イギリス発祥の「ブックスタート」という活動は、0歳児健診などの機会に絵本を開く楽しい「体験」と「絵本」をセットでプレゼントするもので、日本でも6割以上の自治体で実施されています。越谷市にはこのような事業はまだ導入されていませんが、この活動が示すように、絵本との出会いは0歳から始まります。
「内容がわかっていなくても、心地よい言葉のリズムやカラフルな絵に触れるだけでいいんです。焦らず、赤ちゃんの反応を見ながら、まずは楽しい時間だということを伝えてあげてください」と柿﨑さんは語ります。
大人も絵本を楽しめる場所
2025年の4月より試験的に月一回の土曜日の開庫が始まったことで、パパと一緒に来るお子さんも増えているそうです。柿﨑さんは、こういう場所があることで親子一緒に絵本を探したり、スタッフの方のお薦めを聞くことによって、親自身が絵本を楽しむきっかけになっていると言います。
蔵書の中には読み聞かせに関する大人の読み物もあり、大人が楽しめる環境も整っているのが特徴です。
「あいのみ文庫」に行ってみよう
・開館時間:毎週木曜日 14時~17時、毎月最終土曜日 10時~12時(試験的に実施、長期休み前など変更あり)
・場所:文教大学越谷図書館内(大学生が利用する入口の右側、地下に続く階段の先にあいのみ文庫専用入口があります。)
・アクセス:北越谷駅徒歩15分、駐車場はありませんが近くにコインパーキングがあります。
・直近のイベントの紹介:夏のお楽しみ会 7月17日(木曜)15時30分〜(申込不要)
・最新情報はホームページやInstagramをご確認ください。
取材を終えて
SNSや本屋さんでキラキラしているだけの絵本が紹介されているとなんだかモヤモヤした気持ちになっていたのですが、そんなときに夫婦であいのみ文庫のわくわく絵本教室に参加しました。その中で紹介された絵本は決して派手な仕掛けや音が鳴る仕組みがあるものではなく、シンプルな絵や優しいタッチの絵だったのですが、心にすっと入ってくる感覚がしました。
それ以来、夫も私も積極的に娘に絵本を読むようになりました。プロから絵本の楽しさを直接教わったことで読み聞かせのハードルがぐっと下がったように思います。
市立図書館も素晴らしい場所ですが、残念ながら絵本の専門家が常にいるわけではありません。その点、あいのみ文庫には、子どもの本のプロフェッショナルがいて、いつでも私たちの相談に乗ってくれます。「この本どうだった?」「最近保育園はどう?」と、親戚や先生とはちょっと違う地域の方が子育てに寄り添ってくれるのは、本当に心強いです。
もしあなたが絵本選びや読み聞かせに少しでも迷っていたら、ぜひ一度「あいのみ文庫」へ足を運んでみてください。きっと、とっておきの一冊との出会いや、読み聞かせがもっと楽しくなるヒントが見つかるはずです。
(2025年7月 クワイエメンバー by Lisa)