もうすぐクリスマスですね。お子さんへのクリスマスプレゼントは、決まりましたか?
お子さんがサンタさんにお願いしているものが 一番ですが…大人としてはどんな視点で選んだらよいのか、おもちゃコンサルタントの栗原梨奈さんに「おもちゃ選びのポイント」をお尋ねしました!
(タオルを入れると命が吹き込まれるリングドールを手に微笑む、栗原さん)
「おもちゃコンサルタント」とは?
そもそも「おもちゃコンサルタント」って、どんな人なのでしょう?
おもちゃコンサルタントは、全国の「おもちゃ美術館」を運営する芸術と遊び創造協会が、優良なおもちゃ遊びを広めるために養成している「おもちゃのスペシャリスト」です。
栗原さんは越谷に引っ越してきた当初、新しい土地での知り合いがいないことに加え、コロナ渦で親子で遊びに行く場所がなくなり、精神的にとても苦しい時期があったとのこと。
その頃、おもちゃコンサルタントについて知り、「親子の居場所がないなら、自分で作るしかない!」と越谷でおもちゃサロンを開催するために、この資格を取ったそうです。
現在は、お子さんが良質なおもちゃで遊べる場、ママがホッと一息つける場として、社会福祉協議会ふれあいサロン登録の「おもちゃの広場」を毎月開催し、多くの親子から「家にないおもちゃを楽しめた!」「栗原さんとのお話でわが子の成長に気づけた!」と喜ばれています。
(埼玉おもちゃ美術館の学芸員でもあります)
おもちゃ選びのポイント
栗原さんにお聞きした、おもちゃ選びのポイントは主に5つ。
① 安全基準を満たしているか
お子さんが手にする物なので、誤飲の恐れがあったり、すぐに壊れてしまったり、危険な物質が使われていたりすると、安心して遊ばせられませんね。安全なおもちゃかどうかは、おもちゃのパッケージにあるマークが1つの目安になります。
【STマーク】
日本の玩具業界が定めた玩具安全基準(ST基準)を満たしているマーク。
【CEマーク】
EU加盟国(ヨーロッパ)の安全基準を満たしているマーク。
全国のおもちゃコンサルタントが選定した「グッド・トイ」も、安全基準を満たした優良おもちゃなので安心です。
②対象年齢に合っているか
必ずしも対象年齢を守らなければならないわけではありませんが、背伸びしたおもちゃを買ってしまうと、難しすぎて遊ばずに終わってしまうこともあります。対象年齢は「1人で遊べる年齢」が記載されているので、最初にチェックしておくと安心です。
③ 長く遊べるものか
成長しても使えるタイプのおもちゃだと、長い期間遊ぶことができます。
例えば、テーブルに載せて使うタイプの「あこがれグリル&コンロ」は、お子さんの背が伸びてもテーブルを替えることで使い続けられます。
(写真右上が「あこがれグリル&コンロ」。しっかりした作りで、中に 道具を収納できます)
また、キャラクターものはブームがありますが、積み木やブロックなどのシンプルなおもちゃは、自由な発想でいろいろな遊び方ができるため、大きくなっても 遊ぶことができます。
(月齢が小さいうちは積み木を振って「色水の動き」や「水の音」を楽しみ、少し成長したら積み木として遊べて、さらに成長すると2色重ねて「何色に見えるか」を観察するなど、成長に合わせて様々な遊び方ができます。)
④ お子さんの安心につながるものか
ぬいぐるみなど、手触りがよく、持っていることで安心できるものが1つあると、お子さんの心の安定に繋がる宝物になるかも知れません。
⑤ メーカーにも注目
気になるおもちゃを見つけたら、メーカー名をチェックしてみましょう。そのメーカーが出している他のおもちゃを調べてみると、好みのおもちゃが見つかりやすいかも知れません。
≪栗原さんより≫
こどもが3〜4歳になると、社会性が身に付いてくると言われています。友達と交流を持つ中で、自分の欲しいものが見えてきます。そう考えると、親が選んでプレゼントをするという機会は意外と少ないかも知れません。
クリスマスの象徴の一つ、木馬。木馬は紀元前から存在しているとされていますが、実は木馬には こどもの健康を願う想いが込められていたのです。昔から子を想う親の気持ちは同じ。親がこどもの為に一生懸命選んであげる想いが、何よりものプレゼントだと思っております。おもちゃが、親子をつなぐ出会いとなりますように。
また、実は、今月2025年12月25日から、子供PSCマークという新しい安全規制が施行されます。それにより、販売終了のおもちゃが出てくる可能性があるので、今のうちに購入を検討しておくと良いかも知れません。
(ひっくり返すと、カラフルなディスクが回転しながら降りていくおもちゃ。何度もやりたくなっちゃう)
「木育おもちゃ」もオススメ
栗原さんが開催する「おもちゃの広場」に行くと、かわいらしい「木育(もくいく)おもちゃ」が部屋いっぱいに並んでいます。木のおもちゃって、何とも言えない ぬくもりとかわいらしさがありますよね。
(木の香りはもちろん、楽器の音色も かわいい音色で癒される~)
「木の空間にいると、自分が受け入れられている感じがする」という栗原さん。悩みながら子育てしていたときに「東京おもちゃ美術館」にあるおもちゃと出会い、「これでいいんだ!」と肯定してもらえた気持ちになったそうです。
(マグネット付きの棒で、丸太やおうちに隠れているイモ虫をひっぱり出します… どんな虫が出てくるか、ワクワク)
シンプルな木のおもちゃで遊ぶのは乳幼児期のみだと思っていたのですが、「他にも こんな遊び方ができます。こういうのも、ありますよ!」と 次々に教えてくださってビックリ!
(切り株クッションに載っている動物の型抜き積み木は、積み木や型抜きパズルとしてだけでなく、いくつ積み上げられるか競争するなど、何通りもの遊び方ができます)
おもちゃって、発達段階に合わせて何種類もの遊び方ができるんですね。おもちゃコンサルタントさんは、1つのおもちゃで10通りの遊び方を考えられるのだとか!
お子さんが 飽きてしまったおもちゃも、アイディアをもらったら、まだまだ新しい楽しみ方ができるのかも知れません。
(インテリアとしても 素敵!)
「遊ぶこと」は「生きること」
栗原さんのお話の中で、心に響いた言葉の1つに「遊ぶことは、生きること」があります。
「遊ぶこと」を通して、生きていく上で大切な「指の動き」と「集中力」が養われるからだそうです。
食事の時にスプーンを持つ、鉛筆を握って勉強する…など、日々の積み重ねが必要となる「指の動き」ですが、おもちゃで遊ぶことが その準備となり、創造力を培う助けにもなるとのこと。確かに!
そして「集中力」については、お子さんが 好きなおもちゃを見つけて遊び続けていたら、心配せずに見守ってあげるのがポイントだそうです。おもちゃの広場でも、その子の自発的な遊びを尊重することで、個性と成長を大切にされています。
「好きなことを突き詰めていく力が、未来を切り拓く力になってくれることと思います」という言葉に、おもちゃコンサルタントとしての深い想いを感じました。
(シンプルな筒とボールの けん玉。2人組で 筒を使ってキャッチボールするのも楽しかった!)
お話を伺いながら私も遊ばせていただいたのですが、乳幼児向けのシンプルなおもちゃなのに、大人も楽しめるのがとっても不思議。良いおもちゃって、年齢を選ばないのかも知れませんね。
今どきのこども達は、スマホやゲーム機での遊びが多くなっていますが、五感や体を使うおもちゃに触れる機会を増やすことで、より健やかな感性や発達がサポートされるのかも知れないと感じました。
(五感を使うゲームは、脳の発達にも良さそう)
クリスマスは、新たなおもちゃとの出会いが多い季節…この冬も、お子さんが安心して長く楽しめる宝物となるような おもちゃとの出会いがありますように!
12月は「おもちゃの広場」もクリスマス特別版で、市内で4回開催されます。いつもと違うおもちゃを楽しみに、ご都合の合う回に足を運んでみてはいかがですか? お問合せは、栗原さんのインスタグラムへどうぞ。



(2025年12月 byクワイエメンバー:みんと)



