こんにちは。子育てクワイエ 市民ライターのゆきだるま・サンちゃんです。
こどもの不登校や行き渋りに悩む親御さんにとって、こどもたちの“新しい居場所”として注目されている「フリースクール」。気になる存在である一方、「どんな場所なの?」「費用や勉強はどうなるの?」といった疑問や不安も少なくありません。
今回クワイエでは、2026年4月に開校した「フリースクールティーダ」の代表の方に取材を行うことができました。
毎月第3土曜日にはこども食堂「ココカラフル」を開催しているとのことでそのお話もお聞きしました。
ぜひご一読ください!

【越谷駅西口から徒歩6分。住宅街の一角にあり、静かで落ち着いた環境です】
≪フリースクールティーダ代表の井手さんにお話を伺いました≫

【左が代表の井手さん。奥には、一人になれるプライベートスペースがあります】
≪理念・想い≫
Q1 開校に至ったきっかけを教えて下さい。
・私は4人のこどもの母であり、そのうち3人の不登校を経験しました。また、児童発達支援や放課後等デイサービスの事業に携わってきた中で、その子がどんな環境にいるのかで、成長が大きく変わることを痛感してきました。こどもの発達や成長には、「環境」がとても大事で、その環境を整えてあげるのが「大人の責任」であると考え、開校に至りました。
・「責任」とは、親の責任ではなく、居場所として環境を整えるという「大人の責任」と考え、その責任を果たしたいという思いがありました。以前、放課後等デイサービスで一緒に働いていた、NIJINアカデミー越谷校の代表をしている中村さんが、フリースクールを立ち上げており、お手伝いで関わっていく中で、不登校のこどもが急増している現実を知り、私でもできることがあるのではないかと思いフリースクールを立ち上げることにしました。
☆NIJINアカデミー越谷校とティーダは、同じ施設(教室)を使用していますが、それぞれ開校している曜日が違います。
Q2 スクールが大切にしている「教育観」や「こどもへの接し方」を教えてください。
・特に重視しているのは「学び」と「思考」と「食育」に関してです。
・人生を歩む中で、人は常に何かを考え選択していきます。本人にとって納得できる答えや方向性を決めるには、学んだ知識の量と考え方が大事なのではないかと思っています。後はとにかく体験と経験!
・接し方で気を付けているのは「ことば」と「答える」ことです。
話すときの単語は、なるべく正確に分かり易く伝わるようなことば選びをしています。
・誰でも分かる、誰にでも理解できるように。というところを意識してことばを選ぶようにしています。
・遠回しな言い方では伝わらないし、直球に言い過ぎても刺さってしまう。
こちらの気持ちと相手へ伝わる意味が、受け止め方で変わってしまうことを想定しながら話しことばを選んでいます。
・そして会話は可能な限りキャッチボールするようにしています。
数人で同時に話しかけられても順番に全員に答えるように心掛けています。
・些細な事でもこどもが「ちゃんと聞いてくれている!」と安心感を持ってもらえることで、相手の話も聞けるようになってくるのではないかと思っているからです。
・褒めことばでも、一番どのことばが適切なのか、その状況に応じて変えたり、その子によってこういう言い方の方が伝わりやすいのか、などと考えながら会話をしています。
・ことばのシャワーをどれだけ受けながら育つかという、その環境を大事にしています。
Q3 運営しているのはどんな人ですか?
・私は山口県の海と山の自然に囲まれたところで育ったため、幼少期から外遊びが大好きな「体育会系」です。
こどもたちと本気で鬼ごっこを楽しんでしまうほどです。
・今のところ私一人ですが、今後こどもの人数も増え仲間を増やす状況になった時には、増員をしたいと思います。同じ目線でこどもの未来を考えていらっしゃる方、一緒にこどもたちの笑顔を楽しんでくださる方と繋がりたいですね。
Q4 どんなお子さんに来てほしいと考えていますか?
・「来たい」と思ってくれる子は誰でも大歓迎です。
Q5 既存の学校教育との違いや、このスクールならではの強みは何ですか?
・大きな違いは少人数で自分のペースで学習を進めることができることです。
それが学校との違いであり、強みだと思います。
・その子の取り組める範囲を、共有していくことが大事であると考えています。
・当スクールでは学習以外の目的でのゲーム機器、PC、iPad等の持ち込みをご遠慮いただいています。
ここも大きな特色の一つだと思います。
≪日常の過ごし方≫
Q1 一日のスケジュールを教えてください。
・個々の状態にもよりますが、「目的」を持った活動にしています。
・体験活動として、近くの公園や児童館に出かけることもあります。
・今後、年数回の遠足やイベント参加などで社会参加も行っていこうと考えています。
・基本的なカリキュラムはありますが、集団生活の大事さ、自分と違う人が周りにいることも認識して、自分がしたいことばかりをずっとできるわけではないことも伝えながら、こどもたちと話し合いをしています。
・月1~2回の頻度で体験学習を取り入れていく予定です。具体的には、公園への外出や買い物、外食、電車の乗り方の練習、イベントへの参加、体験施設の訪問などを計画しています。
Q2 学習支援はありますか?
・個々に適したワークに取り組む時間があります。学校のテキスト、ワークブック、個別に用意したもの、学びたいこと等の支援をします。
・塾のような本格的な学習は個別に相談に乗ります。
Q3 どんな設備がありますか?
・小さい教室なので区切られたスペースはありませんが、一般住宅の作りですので、自宅のような安心感を持てる環境にしています。
Q4 こども同士のトラブルや、集団に馴染めない子へのフォローはどうされていますか?
・様子を見て対応をしています。トラブルには必ず原因がありますので、その日の状態や自宅での様子を踏まえ、スクールで過ごす時間は、こども同士のやり取りを見守ることも大事にしています。
・集団が苦手なこどもには、本人の過ごしやすい環境を一緒に考えて慣れていってもらえるよう支援しています。
・自分の気持ちを、自分が思ったように伝えるためのワードを知り、相手にどのように伝わっていくのか会話のキャッチボールを大事にしています。
Q5 お昼ごはんはどうされていますか?
・食育という観点から、完全【自炊型】で一緒に作り一緒に食べています。
・一緒に作ろうと活動に引き込むことで、なるべく別々の行動をしないように声かけをしています。
・基本的には携わってもらえるように促していますが、向き不向き、得意不得意、好き嫌い、またその時の気分などもあるので、無理強いはしません。ですが、料理工程の中で一部だけでも関わってもらうように働きかけています。
・あらかじめアレルギーがあるこどもに対しては確認をしており、対応が難しい場合には、自宅で用意していただくこともあります。現在来ているこどもの中では、一部の食材のみを除いて提供しています。
・「食べる」ということは、人間にはとても必要なことであり、生きていく上で絶対的なことです。
食に対して興味を持ってもらい、自分で料理をすることで色々な食材があること、その食材を作っている生産者の方がいるというところまで、考えてもらえるような働きかけをしています。
・キッチン系のライフハックとして、「こんな裏技もあるのか!」など知ることができ、家庭でも家族と一緒にごはんを作る体験をすることは、情緒にも良い影響を与えると考えています。
・料理に関わる中で、嫌いなものも少し見たり匂いを嗅いだりして、抵抗がなくなってくれれば嬉しく思います。そして、保護者の方にとってもこどもの大きな成長を感じられる場面になるはずです。

【キッチンの様子:こちらでこどもたちとお昼ごはんを作ります。家庭にあるような調理器具を使います】
≪家庭へのサポート≫
Q1 保護者との面談や、家庭へのサポート体制はありますか?
・あります。3か月に1度定期的な面談をし、都度の相談も受けています。
・病院の医師や学校の先生、支援機関などと連携し情報を共有しています。
Q2 卒業後や、将来の進路(復学含む)についてはどのようにお考えですか?また、サポートはありますか?
・希望があれば進学・就職のサポートも行います。卒業後も繋がりを持ちたいと思いますので、何らかの形で関わっていけたらと思います。
・ここで目指しているものは「自立」です。こどもたち自身が成長する中で、自分の人生を自分で考え、そして自分が幸せだなと思える道を見つけて進んでいけるような支援を心がけています。
≪利用案内≫
通学コース:小学生~中学生(中学生は水曜のみ)
・定員(各曜日8~10名)
・利用時間
月・金:小学生10:00~15:00
水:中学生 9:00~14:00
・料金 入会金:15,000円
月謝(諸経費・昼食代・維持費込み)
週1コース:20,000円
週2コース:30,000円
週3コース:40,000円 (※諸条件あり)
・送迎の有無 送迎なし
・学校との連携
出席扱いへの対応方針あり。放課後等デイサービス、病院等の連携もあり。
訪問コース:基本未就学~高校生(大学生や社会人は応相談)
・利用時間
火、木(1回の訪問時間は概ね1.5時間~2時間)
・料金
週1/月:15,000円
~訪問型フリースクールとは~
・週1回ご家庭に訪問し、スタッフがマンツーマンで向き合い、こどもの現状に合わせた支援を行います。
・周囲と比べることなく、自分のペースで進めることができます。
・日々の悩みや不安を抱える保護者の方の心にも寄り添います。自宅だからリラックスしてお話できます。
・学校と連携して家庭との橋渡しを行い、出席認定の取得も行います。学校生活への不安をやわらげ、無理のない形で学びを継続できる環境作りができます。
≪見学や体験を希望される場合≫
・体験や見学は随時受け付けております。 HPをご覧ください。
公式LINE、公式Instagram、電話番号などお問い合わせ方法がご確認いただけます。
※必要なものについては問い合わせ時にお伝えいたします。
≪こども食堂「ココカラフル」とは・・・その思い≫
・中村さんと一緒に、地域の方や保護者の方にもお手伝いに来ていただきながら運営しています。
開催は、毎月3土曜日11:00~14:00、登録食数は20食です。
・こどもが実行委員となり、メニューも全部こどもたちが考えます。
・こどもたちが友達を連れてきて、駄菓子屋のたまり場のような雰囲気を目指しています。
・食べに来て帰るというのではなく、2時間でも3時間でもずっと居られる場所。
・ここに遊びに来たついでに食べて過ごすといったイメージで、自由に過ごしてもらえる場所を目指してます。

【右が、フリースクールティーダ代表の井手さん。左は、NIJINアカデミー越谷校代表の中村さんです。
こどもまんなかフェスティバルに駄菓子屋さんを出店されました】
井手さん、取材にご協力いただきありがとうございました。
|
フリースクールティーダ |
取材後記
取材を通して、代表の井手さんがこどもたちとの対話を大切にされていることが分かりました。少人数だからこそ、より丁寧な対話がなされるのだと感じます。よく話を聞いてもらえることは、こどもたちにとって嬉しいことです。居心地の良い環境があるからこそ、安心して自己表現できるのではないでしょうか。また、食育についてもフリースクールだけでなくこども食堂でも取り組まれており、地域のこどもたちが積極的に関わっているとのこと。ここでも、安心できる環境づくりを大切にされていることが分かりました。(ゆきだるま)
フリースクールという少人数の中で、環境を整えることは、こどもたちが安心して過ごせる居場所となり、自分らしく生きるための大切な環境であると知ることができました。また、食育というところから、みんなで一緒に昼食を作ったり、こども食堂に参加することで、食への興味を持ち自分で生きる力や達成感が育まれ、そこから家族や友達との円滑なコミュニケーションにもつながっていくのだと感じました。今回の取材を通して、孤立しがちな親御さんに安心感を届けるとともに、地域全体でこどもたちの多様な育ちを応援する社会づくりの一つになればと思います。 (サンちゃん)
(2026年10月 byクワイエメンバー ゆきだるま&サンちゃん)



