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力持ち卯之助

ページ番号59703です。

力持ち卯之助

これは今から190年ぐらい前のお話です。大袋地区の三野宮に卯之助という人がいました。子どもの頃は、病気がちで、力もなかったものですから、近所の子どもたちにいじめられては、いつも泣いてばかりいました。
その頃の子どもたちは、よく鎮守の境内に集まっては重たい石を持ち上げたりして、力くらべをしていました。でも、ほかの子に持ち上がる石でも卯之助には持ち上がりません。「ヤーイ、ヤイ、卯之助のいくじなし」
卯之助は、悔しくて仕方ありません。それからというもの、卯之助は奮起一番来る日も来る日も力持ちになれるよう練習を続けました。
天保2年(1831年)4月のことです。越ヶ谷の久伊豆神社で力くらべの大会がありました。卯之助ももう25歳(数え年)、立派な青年に成長しています。そしてこの大会で、卯之助はなんと重さ50貫目(187キログラム)もある大きな石を持ち上げて優勝してしまいました。
こうして力自慢になった卯之助は、江戸に出ると一座をつくって、力持ちを見世物として巡って歩くようになりました。舟の上に馬と人を乗せ、この舟を足で持ち上げたり、米俵を何俵も持ち上げたり、酒樽を片手で持ち上げたり、それはそれは大変な人気です。また、行く先々の神社では、大きな力石を持ち上げては、これを奉納しました。


卯之助興行引札(チラシ)

力くらべと力石

この話に登場する力石とは、力くらべや体力を養うために使われた石のことです。当時、力くらべは神社の祭礼や寺社の建築・補修をするための資金集めとして行われたほか、興行のひとつになっており、庶民の娯楽として親しまれていました。
「三ノ宮卯之助」の銘が刻まれた力石は、全国に38個確認されています。
関東地方以外では、山梨県・長野県・大阪府・兵庫県に残されており、全国で力持ち巡業が行われていたことがわかります。市内には三野宮香取神社、久伊豆神社、卯之助生家に合わせて6個の力石があり、これらは平成25年3月29日に、市指定文化財に指定されました。三野宮香取神社にある力石は「大盤石」の銘を持ち、重さが約520キロあります


卯之助力石

日本一の力持ち

力くらべには、相撲と同様に番付があります。
卯之助は嘉永元年(1848年)6月に当時の最高位である大関となり、「日本一の力持ち」と言われていたようです。

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