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越谷市 Koshigaya City

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更新日:2014年9月10日

ページ番号は9667です。

【コラム】「イクメン」になると、いいことがある?

「イクメン」になると、いいことがある?

男性の育児参加はまだまだ足りない?

育児に積極的な男性を示す「イクメン」という言葉は、だいぶ世の中に定着してきた感があります。赤ちゃんを抱えたお父さんや、自転車に子どもを乗せて幼稚園へ向かうお父さんの姿を街中で見かけることも珍しくなくなりました。
実際のところ、男性の育児参加は十分に進んできているといえるのでしょうか。

配偶者の育児への満足度(未就学児)のグラフ
グラフ「配偶者の育児への満足度」、資料:「越谷市子育て実態調査報告書」(平成21年)

上のグラフは、市内の1歳から5歳の子どもの両親に、パートナーの育児に満足かどうか尋ねた結果を示したものです。これを見ると、妻の約6割が夫の育児に満足している一方で、5人に1人以上は不満と回答しています。妻の育児に不満と答えた夫は3.7%ですから、お互いの育児への「不満度」は、夫婦でまだまだギャップがあるといえそうです。

イクメンのメリット

相手の育児への「不満度」のギャップの理由はいろいろあるでしょうが、夫婦がお互い満足して過ごせれば、それに越したことはありません。
夫がもっと育児をするようになれば、妻が助かるというだけでなく、夫の側にもいろいろとメリットがあると専門家は指摘します。
以下、男性の側からみた「イクメンになるメリット」をいくつかご紹介します。

女性の愛情曲線

女性の愛情曲線グラフ
グラフ「女性の愛情曲線」

これは、女性のライフステージ別に、夫や子どもへの愛情の配分がどう変わるかを調査した結果をグラフ化したものです。
愛情の配分は、子どもが生まれると、子どもがトップに躍り出て、今まで一番高かった夫への愛情曲線はがくんと下がります。しかし、この後、子どもの加齢にしたがい、夫への愛情が回復するグループと低迷していくグループに二極化します。
この二極化の原因を探ったところ、「子育てを夫と一緒にやったと回答している妻グループの夫の愛情は回復していくのに対して、自分一人でやったと回答している妻グループの夫への愛情は低迷していく」という相関関係があることがわかったといいます。
つまり、定年後、妻と楽しく過ごせるか、愛想を尽かされて寂しく過ごすかが「乳幼児期の子育てに夫がどれだけかかわったか」によって大きく変わってくるかもしれないということです。

イクメン経験は仕事の能力アップにつながる

役職別に見た男性の育児休業取得率(スウェーデン)
グラフ「役職別・男性の育児休業所得率(スウェーデン)」

共働きが当たり前のスウェーデンは日本の対極にあるような国と思いきや、実は、40年前のスウェーデンと今の日本は非常によく似ているといいます。1960年代に労働力人口が減少したため、海外から労働力を受け入れるかの議論が行われたのですが、スウェーデン語は難しいため、移民に学ばせるコスト等を考えれば、家庭にいる女性に働いてもらったほうがいいという結論に至ったそうです。
そのスウェーデンの企業を対象に、内閣府が平成17年に実施した「スウェーデン企業におけるワーク・ライフ・バランス調査」によれば、役員となっている男性のほうが育児休業取得率が高い、つまり、「育休を取った人は出世している」という結果が出ています。
これについてスウェーデン企業にヒアリングしたところ、次のような要因が浮かんできました。

  1. イクメンはチャレンジ精神に富んでいる。チャレンジ精神が旺盛だとビジネスでも成功するチャンスが増えるだろう。
  2. 1日、2日の休みならいざ知らず、数ヶ月単位で休むには、タイムマネジメントができないと不可能だ。逆に、タイムマネジメントができているからこそ休暇を取れるのだ。
  3. 休みの間、きちんと職場が回るようにするためには、業務の整理はもちろん、部下や後輩をきちんと育成する能力やマネジメント力が欠かせない。
  4. 育児にも積極的に参画する姿勢があると、夫婦の絆が堅固になる。つまり、より仕事に打ち込みやすい環境が生まれる。

「男性が育児をすることには、家族のため、子どものためという以上に、本人にとって大きなメリット、とくにビジネス・メリットがある」と専門家はいいます。業務効率の向上、同時並行で処理をする能力、よちよち歩きの赤ちゃんを見守ることで育まれるリスク管理能力などは、どれも仕事をしていく上で大事な能力といえるでしょう。

イクメンは少子化知らず?

夫の休日の家事・育児時間と第2子以降の出生状況
グラフ「夫の休日の夫の家事・育児時間と第2子以降の出生状況」、資料:厚生労働省「第6回21世紀成年者縦断調査結果の概況」(平成21年)

それから、これは「男性の」というより、今の世の中全体にとってのメリットといえるかもしれませんが、夫の休日の家事・育児時間が長いほど、第2子以降の生まれる割合が高くなるというデータがあります。これには、
〈「女性の愛情曲線」からわかるとおり、乳幼児期の大変な時期に一緒に子育てをした夫に対する妻の愛情は回復するため、子どもができやすくなる。〉
〈共働き率の高い若いカップルでは、夫が全く子育てをしなければ、妻は「一人でさえ大変なのに」と考えて第2子出産をあきらめてしまうが、夫が育児に積極的であれば、「夫が一緒に子育てをしてくれるから、もう1人生んでみよう」という気になる。〉
〈夫の家事・育児時間が長いということは、夫が家にいる時間が長いということであり、夫婦で一緒に過ごす時間が長ければ、子どもが生まれる確率は高まる。〉
などの背景があると考えられています。

バリバリタイプが挫折する3大パターン

とはいえ、「我が家では『夫の自分がバリバリ働くかわりに、家のことは全て妻に任せる』という役割分担で上手くいっている」という人も、もちろんいるでしょう。しかし、こうしたバリバリエースタイプの社員が期せずして挫折してしまう3大パターンがあるといいます。
まず、健康上の問題。長時間労働は、脳疾患、心臓疾患、メンタル不全など、心身の健康に悪影響を及ぼす大きなリスクがあります。
次に、家庭崩壊。奥さんから三くだり半を突きつけられる、子どもがぐれてしまうというような類の話です。
そして最後が、部下にも自分と同じようにバリバリ仕事をすることを求めるあまり、部下からうつ病患者を出し、「あいつはマネジメントができない」というレッテルを貼られ、当人の実力はあっても上までいけなくなるというパターンです。ちなみに、最近このパターンが増えてきているといいます。

まとめ

これまでの話をまとめると、

  1. 熟年離婚の心配のない、楽しい老後が妻と送れる可能性が高まる。
  2. イクメン経験で培われたビジネススキルは、仕事にも大いに役立つ。
  3. 少子化対策にも有効。
  4. マネジメントの挫折に陥りにくくなる。

などのメリットが男性にとってありそうです。
イクメンの人もそうでない人も、この機会に、あなたの「子育て」について、改めて考えてみてはいかがでしょうか?

参考文献: 渥美由喜 (あつみなおき)「イクメンでいこう!」(日本経済出版社、2010年12月出版)

このページに関するお問い合わせ

市長公室 人権・男女共同参画推進課(第三庁舎3階)
電話:048-963-9113
ファクス:048-965-8028

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