さまざまな食品を調理する機械の開発・設計・製造を行う梶原工業株式会社。
「より多くの人々に より美味しい幸せを」の基本理念を大切に、美味しさの影の立役者として日々の食を支えています。代表取締役社長の梶原さん、設計部の丸本さん、組立課の櫻井さんの3名に伺いました。
梶原さん:私たちは食品用の加熱撹拌機(かねつかくはんき)といって、大量の食品を一度に加熱して混ぜて焦げないように調理をする機械を開発・設計・製造しています。
梶原さん:創業当時は私の祖父が浅草のかっぱ橋で「機械のお医者さん」という看板を掲げて、機械の修理をしていました。そのときに、和菓子屋の職人さんがあんを焦がさずに練るのが大変で、苦労しているとお聞きして、餡練り機の開発を始めたんです。
餡練り機の加熱と撹拌の機能は他の食品にも活用できると分かり、現在は、レトルト食品、冷凍食品、ジャム、ソース、タレ、調味料、さらにはコンビニエンスストアで販売されている総菜などの調理にも使用されています。
梶原さん:加熱撹拌は大量の食品を一度に均一に混ぜられるということが一番の強みになります。それを実現するために羽根の形状にこだわっており、食材ごとに適した形や大きさにこだわって製造しています。
家庭だと鍋やフライパンを使うとき、焦げないように鍋底を見ながらヘラでかき混ぜることができますが、機械ではそういったことができないので、食品をまんべんなく均一にかき取っていくところにノウハウがあります。
丸本さん:CAD(コンピュータ上で図面を作成するツール)を用いて機械全体の構造設計をしています。
基本的にはすべての機械がオーダーメイドです。設計の流れとしては標準機と過去に出荷した実績機をもとにして、お客様ごとに異なる機械を新規に設計しています。
丸本さん:同じ敷地内で組み立てを行っているので、自分が設計した機械が組み上がっていくのを間近で見ることができます。また、その機械で生産された製品をスーパーなどで見かけるとやりがいを感じます。
櫻井さん:設計図をもとに調達したパーツを一つ一つ組み上げていき、一つの機械を製造しています。精密部品もありますので微細な調整が必要で、慎重に作業を行っています。
櫻井さん:誰もが知っている有名な商品がカジワラの機械で作られていることもあるので、嬉しく感じます。
世界にカジワラの名前が知れ渡るような大きな企業にしていきたいという思いを大切にしています。
梶原さん:食品の加熱調理というのは日本のみならず、アジアを中心に世界の各国で行われています。これからはそういった世界の調理ニーズにも応えていきたいと思っています。それと同時にこれからは地域貢献も図っていきたいです。
梶原さん:はい。これまで我々の仕事は消費者との接点があまりありませんでした。まずは地域の若い方々に認知してもらうために、男子プロバスケットボールクラブの越谷アルファーズと2023-24シーズンからオフィシャルパートナー契約を締結しました。
これまで冠試合を何度か開催して、地域の方々だけでなく、市外の来場者の方々にも当社を知っていただく機会になっていると感じております。今後は、より地域に貢献できる活動を考えているところです。
梶原さん
「人に優しく住みやすいまち」