更新日:2023年12月28日
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野生復帰に向けた播種実験(令和5年)〜コシガヤホシクサの野生復帰を目指して
越谷市では、「越谷」の名を持つ貴重な植物であるコシガヤホシクサを越谷で野生復帰させる取り組みを進めています。市では専門家や関係機関と検討・協議を進めた結果、平成26年(2014年)から、野生復帰に必要となる生育条件のデータ収集などのために、葛西用水路で播種実験を行っています。
これまでの実績
平成26年から平成29年(2014年から2017年)
用水の川底を実験区画として、2〜3月に種をまき、その後4月に用水が入る前には発芽していました。用水が入った後も水中調査を行い、6月頃までは生存を確認できましたが、その後見られなくなっています。毎年、種子の数を増やしたり、水流や水生生物の影響を抑止するネットを外周に設置するなど条件を変えていますが、同様の結果が続きました。
一方、葛西用水路のショウブ田の一部に整備した見本園では、開花し種子を残すことができました。
水中で育っているコシガヤホシクサ
見本園で開花するコシガヤホシクサ
平成30年から令和3年(2018年から2021年)
実験区画を川底より高くして木枠で囲み、より生育しやすい環境を整えました。その結果、用水が入った後も順調に育ち、平成30年の実験から、開花・結実に継続して成功しています。
令和2年8月の実験区画。緑色に見えているのがコシガヤホシクサ。
令和2年9月の実験区画の拡大写真です。白い粒のように見えているのが花です。
令和4年(2022年)の実験結果
実験の条件として、区画はこれまでの高さと同じ2段(3.1m・2.9m)にし、土壌の違いによる比較や、播種時期の差(1月・3月)、木枠の段差などについて条件を変え、個体数を測定しました。実験の結果は次のとおりでした。
(1)1月に播種した区画において、高い発芽率が確認され、生存できた個体が最も多くなった。
(2)土壌の違いによる差は明確に見られなかったが、同じ土を使用し続けることによる土壌栄養素の不足は懸念される。
(3)木枠の段差を無くした区ではほとんど個体が残らなかった。ザリガニの侵入による影響もあったと考えられる。
実験前の状態(4月)
開花したコシガヤホシクサ(8月)
この時点までで、高さの低い区画では
個体が見られなくなりました。
順調に生育した区画では、多くの個体が開花しました
結実(10月)
10月中旬には、コシガヤホシクサは枯れ、種子ができています。次回の実験に使うため、種子を採取しました。
1年草のため、コシガヤホシクサは枯れています
ザリガニが掘ったと思われる穴がありました
令和5年(2023年)の実験
次の3点について条件を変えて実験を行います。
(1)ザリガニ防除対策の実施
(2)種子の保存状況
(3)雑草除去の実施
試験区の状況(実験開始時)
ブルーシートの追加や、ネットの補強を行い、3月28日に種をまきました。令和5年度の実験についても、追って成果を掲載します。
播種実験の場所
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