更新日:2022年2月2日
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野生復帰に向けた播種実験(令和4年)〜コシガヤホシクサの野生復帰を目指して
越谷市では、「越谷」の名を持つ貴重な植物であるコシガヤホシクサを越谷で野生復帰させる取り組みを進めています。市では専門家や関係機関と検討・協議を進めた結果、平成26年(2014年)から、野生復帰に必要となる生育条件のデータ収集などのために、葛西用水路で播種実験を行っています。
これまでの実績
平成26年〜平成29年(2014年〜2017年)
用水の川底を実験区画として、2〜3月に種をまき、その後4月に用水が入る前には発芽していました。用水が入った後も水中調査を行い、6月頃までは生存を確認できましたが、その後見られなくなっています。毎年、種子の数を増やしたり、水流や水生生物の影響を抑止するネットを外周に設置するなど条件を変えていますが、同様の結果が続きました。
一方、葛西用水路のショウブ田の一部に整備した見本園では、開花し種子を残すことができました。
水中で育っているコシガヤホシクサ
見本園で開花するコシガヤホシクサ
平成30年〜令和2年(2018年〜2020年)
実験区画を川底より高くして木枠で囲み、より生育しやすい環境を整えました。その結果、用水が入った後も順調に育ち、平成30年の実験から、開花・結実に継続して成功しています。
令和2年8月の実験区画。緑色に見えているのがコシガヤホシクサ。
令和2年9月の実験区画の拡大写真です。白い粒のように見えているのが花です。
令和3年(2021年)の実験結果
実験の条件として、区画はこれまでの高さと同じにし、自然発芽(前回の種子を残す)と播種との比較や、外周ネットの設置、木枠の段差などについて条件を変え、個体数を測定しました。実験の結果は次のとおりでした。
(1)自然発芽の区画でも、開花・結実が見られたが、播種した区画より発芽が少なく、生存できた個体も少なかった。
(2)木枠の段差が大きい区画、外周ネットのある区画の方が、多くの個体が生存できた。段差やネットにより、土砂・種子の流出防止、ザリガニなどの侵入防止等の効果が考えられる。
実験前の状態(4月)
開花したコシガヤホシクサ(8月)
この時点までで、いくつかの区画で個体が見られなくなりました
順調に生育した区画では、多くの個体が開花しました
結実(10月)
10月下旬には、コシガヤホシクサは枯れ、種子ができています。このあと、次回の実験などに使うため、種子を採取しました。
コシガヤホシクサは枯れており、他の種類の草が広がっています
枯れたコシガヤホシクサの先端に黒い粒状の種子が見られます
令和4年(2022年)の実験
次の3点について条件を変えて実験を行います。
(1)土の入れ替え
(2)種をまく時期
(3)木枠の段差の大きさ
試験区の状況(実験開始時)
土の入れ替えや、木枠の段差の調整をし、1月27日に一部の区画に種をまきました。3月下旬にも播種を行います。令和4年の実験についても、随時、生育などのようすをお伝えしていきます。
播種実験の場所
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