更新日:2012年11月19日
ページ番号は9662です。
【コラム】男女共同参画とは?
男女共同参画ってどういうこと?
皆さんは「男女共同参画」という言葉を知っていますか?
多くの人にとって、耳なじみのない言葉だと思います。「聞いたことはあるけれど、よくはわからない」という人や、「女性がバリバリ働いたり、社会で活躍すること」と思っている人、中には「男性を悪者にして、女性を優遇すること」といったイメージをもっている人もいるかもしれません。
男女共同参画は、英語で”gender equality”といい、直訳すると、「ジェンダーの平等」ということになります。要するに、私たち一人ひとりが持っている「男らしさ」「女らしさ」についてのイメージや考え方(これを「ジェンダー」といいます。)にとらわれず、一人ひとりが平等に扱われるべきだ、という考え方です。
自分には関係ないこと?
とはいえ、最近の日本では男女平等の考えは広まっているし、女性が働くことに反対ではないし、自分には関係ないことだと思っている人も多いのではないでしょうか。
けれど、ちょっと考えてみてください。
「妻には働いてもらいたいけれど、家のことはおろそかにしないでほしい」
「理想の男性は、頼りがいのある人」
こんな意見には、自分も同感だという人も多いのではないでしょうか。
では、女性に仕事も家庭も求めるあなたは、妻より早く帰ったら夕食を作り、子どもが熱を出したら妻と交代で仕事を早退するのが当然だと思っていますか?
男性に「頼りがい」を求めるあなたは、自分も「頼りがいのある女性」になりたいと思いますか?
「男は仕事で女は家庭」「女は男に従うもの」といった、あからさまな考え方には反対でも、「男はこう」「女はこう」という考え方やイメージは、多くの人が知らず知らずのうちに身につけているものといえると思います。
なぜ男女共同参画を進めるの?
多くの人がもっている「男はこう」「女はこう」という考え方やイメージですが、では、実際はどうでしょうか。
- 全ての男性が、生まれつき仕事の能力が高いということがあるでしょうか?
- 全ての女性が、生まれつき家事が得意ということがあるでしょうか?
冷静に考えて、そんなことはありえませんよね。
「仕事はバリバリではないけれど、家事は好きだし、得意」という男性もいれば、
「料理や掃除はちょっと苦手だけれど、仕事は好きだし、そっちのほうが自分の力が活かせる」と感じている女性も、当然いるはずです。
けれど、せっかくの長所や能力も、世の中の多くの人がもっている「男はこう」「女はこう」という考えやイメージと同じでなかったときには、十分に発揮できないだけでなく、人生の選択の幅を狭めてしまうことさえあります。
たとえば学生時代なら、「男の子は理系、女の子は文系」が多数派だったり、大学受験で第一志望に落ちた場合、「男の子なら浪人して来年チャレンジしてもいいけれど、女の子で浪人するのはちょっと……」と言われたり。就職のときは、何だか採用の男女差を感じたり、結婚・出産後は、結局、働くのは夫、家事や育児は妻がメインになっていたり。もちろん、当人が納得していれば何の問題もありません。けれど、「あのとき第一志望にチャレンジできていれば……」とか、「今の仕事は向いていないけど弱音は吐けないし、一家の大黒柱として妻や子どもの生活を支えないと……」とか、「男だから」「女だから」ということが原因で、本人が望むように生きられない場合というのも、まだまだあるように思います。
そして、よく考えてみると、「男はこう」で「女はこう」だからというだけで、本当はやりたいことや、自分の能力が存分に発揮できる分野をあきらめなければならないのは、なんだか少し、腑に落ちないような気がしませんか?
ここに、男女共同参画を進める、最も根本的な理由があります。
先程この文章の冒頭で、男女共同参画とは、“私たち一人ひとりが持っている「男らしさ」「女らしさ」についてのイメージや考え方(これを「ジェンダー」といいます。)にとらわれず、一人ひとりが平等に扱われるべきだ、という考え方”だと述べました。
なぜ、男女共同参画を進めるのか。
それは、一人ひとりがもつ個性や能力はそれぞれ違っていて、それが「男らしさ」「女らしさ」のイメージと合っていても違っていても、それだから良いとかダメだとか、決められるものではないからです。一人ひとりのもつ個性や能力、可能性がもっている価値に優劣はない以上、世の中の「男らしさ」「女らしさ」のイメージと違っているからという理由で思うように生きられないということがあれば、それはおかしいし、直していくべきだからです。
男女共同参画についての法律があります。
さて、ご存知の方もいるかもしれませんが、男女共同参画について、実はもう10年以上も前(平成11年)に法律が作られています。名前を「男女共同参画社会基本法」といいます。
そして、この「男女共同参画社会基本法」の冒頭には、次の言葉が書かれています。
我が国の社会経済情勢の急速な変化に対応していく上で、男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は、緊要な課題となっている。
このような状況にかんがみ、男女共同参画社会の実現を21世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置づけ、社会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の推進を図っていくことが重要である。
あまり知られていませんが、実は、男女共同参画が普通になっている社会が実現することは、「21世紀の我が国社会を決定する最重要課題」であると、10年以上前から法律に書かれているのです。そして、なぜ「最重要課題」かといえば「社会経済情勢の急速な変化に対応していく上で」の「緊要な課題」だから、とあります。
変化への対応と男女共同参画に、いったいどういう関係があるのでしょうか?
その答えに興味をおもちになった方は、コラム集「みてみて男女共同参画」のほかの記事や、内閣府男女共同参画局のホームページを覗いてみてください。「男女共同参画」のことをもう少し知ってみようかな、と思っていただけたら幸いです。
このページに関するお問い合わせ
市長公室 人権・男女共同参画推進課(第三庁舎3階)
電話:048-963-9113
ファクス:048-965-8028