このページの本文へ移動

越谷市 Koshigaya City

現在地

更新日:2022年9月8日

ページ番号は12516です。

広報こしがやお知らせ版(平成29年4月)の折り込み

PDF版

平成29年度 施政方針、教育行政方針

 過日開催された3月定例市議会で、高橋市長が新年度の施政運営や主な事業について施政方針演説を行いました。また、教育行政に係る主要施策などについて、吉田教育長が教育行政方針演説を行いました。

施政方針(全文)

 平成29年3月定例市議会をご招集申し上げましたところ、議員の皆さまにはご健勝のうちにご出席をいただきありがとうございます。
 本定例市議会は、新年度の事業を執行する予算案をはじめとする議案をご審議いただきますが、市長としての施政方針を申し述べ、議員の皆さまそして市民の皆さまのご理解とご協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。  本市は、平成28年度から第4次越谷市総合振興計画後期基本計画をスタートさせました。今後も「水と緑と太陽に恵まれた 人と地域が支える安全・安心・快適都市」という将来像の実現に向け、この計画の着実な進捗をはかるとともに、重点戦略に位置づけた事業を推進してまいります。
 さて、わが国の経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復基調が続いているとされております。しかし、海外に目を向けますと、アメリカでは実業家であったドナルド・トランプ氏が大統領に就任し、その発言が大きな影響を与えることなどもあり、海外経済の不確実性や金融資本市場の影響には引き続き留意する状況にあります。
 こうした中、編成された平成29年度一般会計の政府予算案は、対前年度比0.8%増の97兆4547億円、そのうち政策的経費である一般歳出は、対前年度比0.9%増の58兆3591億円となっております。
 また、本市においては、個人市民税や固定資産税で若干の増収が見込まれるものの、税制改正の影響により法人市民税が減収となるなど、歳入の確保が非常に厳しい状況にあります。
 したがいまして、平成29年度の予算編成にあたりましては、自主財源はもとより国県支出金などの依存財源の確保に努めるとともに、持続可能な財政運営に向けて、経営感覚・コスト意識を重視し、限られた財源の重点的・効率的な活用に努めたところです。
 このような編成方針の下、平成29年度の越谷市一般会計予算は、対前年度比2.3%増の904億円、さらに各特別会計と病院事業会計を合わせた全会計の予算総額は、対前年度比1.5%増の1742億1900万円で編成させていただきました。
 以下、第4次総合振興計画の大綱に沿って、主要な施策を述べさせていただきます。

大綱1「市民とつくる住みよい自治のまちづくり」について
 越谷市自治基本条例の趣旨に則り、地方分権の進展や多様化する行政需要に対応していくため、市民参加と協働によるまちづくりを推進してまいります。
 また、市民の一体感の醸成や地域の振興をはかるため、越谷市版図柄入りナンバープレートについて、平成30年10月頃の交付開始に向けて、図柄の検討、選考および国への提案を行ってまいります。
 市政への市民参加を一層促進するため、広報紙やホームページの充実をはかり、分かりやすく利用しやすい市政情報の提供に努めてまいります。さらに、市民の皆さまとの対話を重視し、多様なご意見を市政に反映するため、「ふれあいミーティング」を実施してまいります。
 市民参加と協働による市政を進めるため、地域コミュニティ組織である自治会の健全な育成と円滑な運営、コミュニティ推進協議会の地域におけるコミュニティ活動に対し、支援を行います。また、市民活動団体に対しては、越谷市市民活動支援センターを拠点に、質の高い支援に努めます。
 地域コミュニティ活動の拠点となる地区センター・公民館については、安全で、安心して利用できるよう施設の適切な維持管理、運営をはかります。
 人権推進事業については、すべての市民が、かけがえのない一人の人間として尊重され、平和で平等な生活を送ることができるような人権尊重社会の実現に向けて、関係機関と連携し、人権教育・啓発に関するあらゆる施策を推進してまいります。
 男女共同参画については、第3次越谷市男女共同参画計画に基づき、「男女がみとめ合い、ささえ合い、自分らしさを活かせる社会」を目指し、越谷市男女共同参画支援センターを拠点に各種施策を進めてまいります。また、越谷市女性・DV相談支援センター(配偶者暴力相談支援センター)を中心に、DV被害者の支援を関係機関と連携し、強化してまいります。
 国際化事業については、互いに認め合い人権を尊重する社会づくりを推進するため、多文化共生社会の形成に取り組むとともに、姉妹都市オーストラリア・キャンベルタウン市をはじめとする国際交流を推進してまいります。
 増大・多様化する行政需要に限りある財源や人員等で的確に対応し、行政の役割を効率的かつ効果的に果たしていくことができるよう、行政評価や行政改革による取組みを今後も推進してまいります。また、行政課題に的確に対応することのできる簡素で機動的な執行体制の整備に取り組んでまいります。さらに、包括外部監査による行政運営のさらなる適正確保に努めてまいります。
 情報化推進については、越谷市情報化推進計画の第4次アクションプランに基づき、内部事務の効率化を進めてまいります。また、社会保障・税番号制度など、新たな制度への円滑な対応をはかるとともに、ICT(情報通信技術)を活かした業務プロセスの構築や見直しを行ってまいります。さらに、安全・安心な電子自治体の構築に向け、個人情報保護やセキュリティの確保、ICT部門における業務継続計画の運用に十分配慮した情報化施策を推進してまいります。  統計事業については、工業統計調査、就業構造基本調査が実施されますので、国や県と連携をはかり正確な統計調査が行われるよう事務を行ってまいります。
 市本庁舎については、新庁舎建設の基本設計を進め、市民の安全・安心な暮らしを支える親しみのある庁舎の実現に取り組んでまいります。
 証明発行事業については、マイナンバーカードの普及とともに証明書のコンビニ交付の利用促進に努め、窓口の混雑緩和や待ち時間の短縮をはかってまいります。
 収納事務については、市税の収納対策を強化するとともに、市税以外の市債権は、債権管理の一層の適正化をはかり、自主財源の確保に努めてまいります。
 公有財産については、将来的に利活用がはかれる財産を適正に管理保全するとともに、利活用が見込めない財産の売却や貸付等を行ってまいります。
 また、公共施設等の老朽化対策については、越谷市公共施設等総合管理計画に示した方策を具体化するため、アクションプランの策定に取り組み、安全・安心な公共施設等の総合的な管理を行ってまいります。

大綱2「だれもが健康で生きがいをもって安心して暮らせるまちづくり」について
 すべての市民が生涯にわたり、すこやかに、いきいきと、人間らしく、安心して暮らすことができる福祉のまちの実現を目指し、第2次越谷市地域福祉計画に基づき、地域における福祉活動の活性化とネットワーク化を推進するなど、「地域で支え合う仕組みづくり」の推進に取り組んでまいります。
 地域医療については、大規模災害や新型インフルエンザ等の健康危機に備え、保健所機能を有効に活用するとともに医療関係団体等と連携し、医療体制の整備を進めてまいります。また、不足する市内医療機関の看護師等を確保するため、看護師等修学資金貸与事業を実施してまいります。救急医療については、夜間における初期救急医療の確保のため、夜間急患診療所を運営するとともに、東部南地区第二次救急医療圏内の他の5市1町と連携・協力し、二次救急医療体制の確保をはかります。さらに、市民の健康づくりや医療・保健・福祉の連携の強化など地域保健のさらなる拡充をはかるため、新たな保健センターの整備に向け、実施設計等を進めてまいります。
夜間急患診療所
夜間急患診療所

 高齢化の進展に伴い増大する医療需要に対応するため、国では医療機能の分化と地域連携を進めています。市立病院については、地域の医療機関との間で相互紹介が円滑に行えるよう連携を一層強化するとともに、7階の小児病棟の改修によりNICU(新生児集中治療室)等を整備し周産期医療の充実をはかり、地域の基幹病院としての役割を果たしてまいります。
 健康づくり推進事業については、第2次越谷市健康づくり行動計画・食育推進計画「いきいき越谷21」に基づき、市民・関係団体・行政が一体となった健康づくりを推進してまいります。また、昨年制定された越谷市がん対策推進条例および越谷市歯科口腔保健の推進に関する条例に基づき、がんや歯科疾患の早期発見・早期治療につなげるなど、市民一人ひとりの健康づくりを支援してまいります。成人保健事業については、生活習慣病予防対策に取り組むとともに、ウォーキングや健康教室の参加、各種検診受診をポイント化することにより、市民が主体的に健康づくりに取り組めるよう健康マイレージ事業を実施してまいります。母子保健事業については、子どもを安心して出産し、育てられるよう、妊娠中からの継続した支援を行うため、妊婦および乳幼児の健康診査、相談事業や家庭訪問、産後支援事業などを実施してまいります。さらに、感染による疾病の発症および重症化を防止するため、予防接種事業を適切に実施してまいります。
 保健所は、平成27年4月の中核市移行に伴い設置され、平成29年度で3年目となります。市民の健康を守るため、総合的な保健衛生行政の充実に努めてまいります。
 保健衛生業務については、医療機関等の検査指導を行うなど、保健衛生の充実をはかります。また、結核患者への適正な医療の提供や接触者健康診断等を行うとともに、感染症の発生予防や感染症発生時の感染拡大防止をはかります。さらに、自殺対策や精神保健相談、知識の普及・啓発などの精神保健支援事業を推進してまいります。
 生活衛生業務については、環境・薬事・食品衛生関係施設などの許認可・監視指導を行っていくほか、衛生害虫・狂犬病・食中毒などの予防啓発および動物の愛護と適正飼養の普及に努めてまいります。
 衛生検査業務については、食の安心・安全を確保するため、市場の流通食品の検査項目を拡充するとともに、食中毒や感染症対策の迅速かつ正確な検査に努めてまいります。
 子育て支援については、越谷市子ども・子育て支援事業計画に基づき、子ども・子育て支援新制度に関わる支援策の充実をはかるとともに、これまで市が取り組んできた子育て支援施策を進めて、より一層子育てしやすい環境の整備に努めてまいります。
 青少年の健全育成については、子ども一人ひとりが健やかに成長できるよう、学校・家庭・地域が連携し、総合的な取組みを進めてまいります。
 児童館については、それぞれの施設の機能や特徴を活かした事業を展開し、遊びを通して科学に対する興味・関心を高め、創造性豊かな児童の育成に努めてまいります。
 保育については、子ども・子育て支援新制度に基づき、子どもの成長や、子育て家庭を支えるための体制づくりを推進してまいります。
 公立保育所については、大相模保育所の建て替えに向け事業を進めてまいります。また、障がい児保育については、0歳児から5歳児までを対象とし、公立保育所としての役割を果たしてまいります。
 民間保育園、認定こども園および地域型保育事業については、社会福祉法人等の施設整備を支援するなど、待機児童の解消に向けた定員の拡大に努めてまいります。さらに、新たに病児保育事業を開始するとともに、3か所目となる保育ステーションの整備を行うなど、多様な保育ニーズに応えるよう取り組んでまいります。
 学童保育室については、増加する入室希望者に対応するため蒲生南学童保育室の2室化整備を行うなど、待機児童の解消に取り組むとともに、保育環境の充実をはかり、保護者の就労支援と放課後児童の健全育成に努めてまいります。
 こども医療費については、中学校修了までの子どもを対象とするとともに、児童手当についても、子どもの健やかな成長に資するため適正な支給に努めてまいります。
 障がい児福祉については、障害者総合支援法に基づく介護給付や児童福祉法に基づく通所給付などを適切に行い、障がいのある子どもと家族に対する支援を行ってまいります。また、越谷市児童発達支援センターにおいて、就学前の子どもに対し、能力や健康状態に応じた療育および支援を行ってまいります。
 児童虐待については、要保護児童対策地域協議会の構成機関および児童相談所との連携をはかり、子どもの安全を最優先に虐待の予防と早期発見、早期対応に努めてまいります。
 障がい者福祉については、障害者総合支援法に基づき、障害福祉サービスを利用する際の自立支援給付である介護給付費および訓練等給付費等の支給を行うとともに、地域の実情に合わせた地域生活支援事業を実施してまいります。
 また、障がい者の職業的・社会的自立の促進をはかるために就労支援事業および地域適応支援事業の推進に努めてまいります。
 成年後見に関する事業については、成年後見制度が身近なものとして活用されるよう制度の普及啓発や個別相談、手続き支援、市民後見人の活動支援など越谷市社会福祉協議会と連携をはかり「成年後見センターこしがや」の機能の充実に努めてまいります。
 さらに、障害福祉サービスの提供体制の確保、その他障害者総合支援法に基づく業務を円滑に実施するため、第5期越谷市障がい福祉計画を策定します。
 高齢者福祉については、高齢者の総合相談窓口である、地域包括支援センターの地区センターへの移設を進めるとともに、地域の包括的な支援・サービス提供体制である、地域包括ケアシステムの構築に向けて、在宅医療と介護の連携推進や認知症施策など、各種事業に取り組んでまいります。高齢者の生きがいづくりについては、生涯にわたる健康づくりの推進や多様な社会参加活動を促進するため、市内東西南北に設置された老人福祉センターを適切に運用し、生きがい対策事業を推進してまいります。
 介護予防については、地域住民自らが取り組む介護予防活動への支援の充実をはかるとともに、介護予防・日常生活支援総合事業における多様なサービスとして、NPOやボランティアをはじめとする、地域の様々な団体による提供体制の構築に取り組み、地域の高齢者を地域で支えあう新たな仕組みの構築に努めてまいります。
 介護保険事業については、認定審査会委員の増員と認定審査会の回数を増やし、増加する要介護認定者に対応してまいります。また、介護保険財政の安定的な運営をはかるため、保険料の適正な賦課徴収を行うとともに、介護給付適正化事業を推進してまいります。
 さらに、特別養護老人ホーム2施設の新規開設を支援するなど、第6期越谷市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づく介護基盤の整備を促進するほか、平成30年度から平成32年度を計画期間とする第7期越谷市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に取り組んでまいります。
 また、利用者が介護保険や福祉のサービスを安心して受けられるよう、指定サービス事業者等への指導監査を行っていくとともに、社会福祉法人制度改革に適切に対応をしてまいります。
 生活保護については、不透明な経済・雇用情勢により、本市においても受給者が依然として増加しておりますが、市民を支える最後の支援制度として、生活保護制度の適正な運営に努めてまいります。また、生活保護に至る前の段階の方に対する支援については、生活困窮者自立支援事業の充実をはかってまいります。
 さらに、福祉なんでも相談窓口については、福祉に関する相談やサービスの提供を円滑かつ的確に行うなど、市民サービスの向上に努めてまいります。
 国民健康保険については、将来にわたり、だれもが必要な医療を安心して受けることができるよう、より健全な財政運営を目指し、収納率の向上および医療費の適正化に努めるとともに、平成30年度から都道府県単位化される新たな国民健康保険制度の施行準備を着実に進め、国民皆保険制度を支える地域医療保険としての役割を果たしてまいります。また、糖尿病性腎症重症化予防対策事業を実施するとともに、健康マイレージ事業の実施を通して、被保険者の健康の保持増進に努めてまいります。

大綱3「自然と調和し質の高い都市機能を備えたまちづくり」について
 第4次越谷市総合振興計画および越谷市都市計画マスタープランに基づき、だれもが安心して暮らせる都市環境の創出に向け、都市施設の整備や活気ある市街地の形成に努めてまいります。
 開発行為などについては、都市計画法による開発許可制度や越谷市まちの整備に関する条例に基づき、自然に配慮し、調和のとれた土地利用を推進するとともに、市民、開発者および市が相互の役割に基づく責任と信頼の下、だれもが安全で安心して暮らすことができるまちづくりを進めてまいります。
 土地区画整理事業については、昨年11月に七左第一地区の換地処分の公告を行いました。今後は、同地区の清算事務を進めてまいります。また、東越谷地区の早期事業完了に向けて取り組むとともに、西大袋地区の事業進捗をはかり、都市基盤の整備と健全な市街地の形成を進めてまいります。
 景観形成については、越谷市景観計画および越谷市景観条例並びに越谷市屋外広告物条例の適切な運用をはかり、越谷らしい景観の形成を推進してまいります。
 道路については、だれもが使いやすく安全で快適な道路・交通環境の確保や景観などにも配慮した幹線道路・生活道路の体系的な整備を進めるとともに、警察と連携したゾーン30の継続、通学路の危険箇所の改善を行い、児童生徒の安全確保をはかってまいります。
通学路に設けられたゾーン30
通学路に設けられたゾーン30

 都市計画道路では、越谷吉川線および川柳大成町線の整備を推進するとともに、県事業の路線整備を支援してまいります。また、地域の個性を活かした取組みとして、道路利用者へのサービス向上と地域の活性化に資するとともに、災害時の防災機能を備えるなど、多面的要素を持つ道の駅の整備について、調査・検討をしてまいります。
 橋梁については、越谷市橋梁長寿命化修繕計画に基づき、計画的な修繕・補修を進め、市内の重要な橋梁の健全性の確保および延命化をはかるとともに、大地震による落橋・倒壊等の甚大な被害を防止するため、地震時に通行を確保すべき緊急輸送道路などに架かる橋梁の耐震化を進めてまいります。
 公共交通については、市民・公共交通事業者等と連携しながら、利便性が高く持続可能な公共交通網の形成をはかってまいります。また、駅ホームにおける安全性の向上をはかるため、せんげん台駅の内方線付き点状ブロック整備に対し国・県と連携し支援してまいります。
 公園や緑地については、市北部地域の緑の拠点となる平方公園の拡張計画を進めるとともに、(仮称)増林公園や地域に身近な公園および綾瀬川緑道等の整備に取り組んでまいります。また、市民の皆さまが安全で安心して利用できるよう、適切な維持管理に努めてまいります。さらに、市民との協働による公園等の維持管理を進めるため、公園維持管理団体の増加を目指しながら、自治会や市民団体などと連携をはかってまいります。
 治水対策については、平成27年9月の関東・東北豪雨に伴う浸水被害を踏まえ、効果的な浸水対策に向けて、国や県と連携をはかりながら、応急的な対策を進めるとともに、都市下水路や公共下水道雨水幹線などの整備を進めてまいります。
 公共下水道については、下水道施設の長寿命化を進め、計画的かつ効率的に維持管理するとともに、水洗化率の向上をはかってまいります。また、さらなる経営の健全化のため、地方公営企業法の適用の準備を進めてまいります。  住宅環境については、さらなる耐震化促進のため、民間の木造住宅やマンションの耐震診断および耐震改修費の補助制度の活用を促進し、安全で安心して暮らすことのできる住環境づくりに取り組んでまいります。また、住宅リフォーム・耐震相談およびマンション管理相談については、制度の周知に努め、利用者の増加に向けて取り組んでまいります。
 公共建築物については、ユニバーサルデザインを基本理念とし、市民の皆さまが安全で安心して利用できる施設づくりに努めてまいります。

大綱4「人や環境にやさしく安全・安心な生活を育むまちづくり」について
 昨年11月に、地球温暖化対策の新しい国際ルール「パリ協定」が発効し、地球規模の課題を、世界全体が協調して取り組むことが求められています。私たちの生活基盤である良好な環境を、将来にわたって保全・創造していくため、今、成すべきことを見極め、市民や事業者とともに、考え、行動することが重要です。このようなことを踏まえ、再生可能エネルギーの活用促進をはじめ、地域に根ざした持続可能なまちづくりに取り組みます。また、緑や田園環境など、自然資源を活かした、生物多様性保全・向上の取組みを進めてまいります。
 廃棄物対策については、東埼玉資源環境組合などの関係機関と連携し、今後の超高齢社会を見据え、一般廃棄物の安全かつ安定的な収集および処理を行ってまいります。また、ごみ収集カレンダーや自治会回覧等を通して啓発活動を行い、市民や事業者と協働して分別の徹底をはかり、ごみの減量と資源化に努めてまいります。
 産業廃棄物対策については、産業廃棄物の排出抑制や適正処理を推進するため、廃棄物処理法に基づく事業者への許可、立入検査等の指導を行うとともに、PCB特別措置法によるポリ塩化ビフェニル廃棄物の期限内処理に向け、市内事業所等の状況調査を実施してまいります。
 また、不法投棄などの不適正処理事案については、職員によるパトロールを実施し、未然防止や早期発見により、市民の生活環境の保全および公衆衛生の向上に努めてまいります。
 災害対策については、越谷市地域防災計画をはじめとした各種計画に基づき、「自助」「共助」「公助」を柱とした災害に強いまちづくりを推進してまいります。また、災害情報管理システム等を活用した情報収集伝達体制の強化や、女性・要配慮者等にも配慮した防災備蓄の充実など、災害対策の充実・強化に努めてまいります。さらに、自主防災組織の整備や人材の育成強化など、地域防災力の向上に取り組むとともに、避難行動要支援者対策や帰宅困難者対策を推進してまいります。
 防犯対策については、埼玉県警察本部と連携をはかり、越谷レイクタウン駅前交番の設置準備を進め、安全で安心なまちづくりを推進してまいります。
 また、振り込め詐欺や悪質商法など消費者被害の未然防止をはかるため、消費生活講座や出張講座などの啓発活動を実施してまいります。特に、高校生など若者に向けた啓発を推進してまいります。
 消防については、火災を予防するため、住宅用火災警報器などの住宅用防災機器の普及啓発に努めるとともに、予防査察による防火管理体制の充実をはかってまいります。また、消防体制を充実させるため、災害時の活動拠点施設である谷中分署を竣工し、さらなる消防力の強化に努めてまいります。さらに、消防車両や資機材を更新するとともに、地震などの大規模災害に備え、耐震性貯水槽を増設してまいります。
 救急については、救命効果を向上させるため、救急救命士を養成するとともに、さらなる応急手当の普及、啓発に努め、公共施設に設置したAEDが有効に使用されるよう努めてまいります。
 消防団については、地域防災力の充実強化をはかるため、消防団器具置場の建て替えや、装備の充実に努めてまいります。

大綱5「安心して働ける環境を育む持続的で躍動するまちづくり」について
 人口減少、少子高齢化に対応し、地域が活力を失うことなく持続的に発展し続けるためには、地域産業を活性化し、地域に雇用と経済価値をもたらすことが極めて重要であると考えております。このような観点から、国、県や越谷商工会議所などの関係機関と連携を密にし、産業・雇用施策の推進に取り組んでまいります。
 産業振興については、市内中小企業者・小規模事業者が、経営改善や競争力強化をはかりながら成長的・持続的発展が遂げられるように商工会議所や金融機関等と連携し企業経営・創業相談の充実をはかるとともに、新商品開発や販路拡大などの新たな事業活動を支援してまいります。また、本市の伝統的地場産業のPR強化に取り組むほか、制度融資にかかる利子助成限度額の引き上げや、こしがや産業フェスタ、創業セミナー等の開催により、既存産業の活性化や新たな産業の育成を推進してまいります。
 商業振興については、各商店会による商店街活性化に向けた取組みや商工会議所が商店会等と連携して実施する街おこしイベント等に対する支援を行い、にぎわいと活力あるまちづくりを推進してまいります。また、中心市街地の活性化については、地元の皆さまや関係機関と連携をはかりながら、宿場まつりやまるななマーケット等の各種イベントや蔵・古民家などの地域資源を活用した事業を支援してまいります。
 観光の推進については、一般社団法人越谷市観光協会および株式会社JTB関東との連携強化をはかり、花火大会や田んぼアート事業などの観光イベントの開催を支援するとともに、大相模調節池および葛西用水ウッドデッキの水辺を活用したにぎわいの創出に取り組んでまいります。市の魅力発信については、食を中心とした新たな魅力の掘り起こしや越谷特別市民「ガーヤちゃん」の活用などによるブランド力の向上と郷土愛の醸成に取り組んでまいります。また、徳島市並びに大船渡市、東松島市および名取市の東北被災地との観光物産交流を実施し、地方創生を踏まえた知名度の向上に取り組んでまいります。さらに、東武スカイツリーライン越谷駅東口高架下に整備する観光物産拠点施設「(仮称)ガーヤちゃんの蔵屋敷」において、地域の魅力を市内外に発信するとともに、沿線や日光街道埼玉六宿に関係する自治体などとの連携を強化し、集客・送客・交流事業を展開します。
田んぼアート
昨年は星奈津美さんがデザインされた田んぼアート

 工業振興については、ビジネス交流会等の開催を通じて、事業者の取引機会の拡大や新たなビジネスチャンスの創出に取り組むとともに、新たな産業用地の創出に向けて、企業ニーズの把握や県など関係機関との緊密な連携をはかり、流通・工業系土地利用の着実な推進に努めてまいります。
 農業振興については、本市の農業・農地を守るため、首都近郊に位置し、大勢の消費者を抱える本市の地理的優位性を活かした都市型農業を推進し、魅力ある農業の展開と担い手の確保・育成・市民理解の向上など、第2次越谷市都市農業推進基本計画に基づき、「持続的に農業が行われる環境づくり」に取り組んでまいります。
 地産地消については、地場農産物の消費拡大や食育を進めるため、もっとも身近な消費者である市民を対象として、さらなる推進をはかります。また、6次産業化を目指す農業者に対し、農産物加工品の開発や販路の開拓を支援してまいります。
 高収益農業の推進については、収益性が高く安定的な農業経営の実現のために、周年的に安定生産が見込める施設園芸や、付加価値のある農産物の生産を支援してまいります。特に、市内外から大勢の集客がある越谷いちごタウンをはじめとした観光農業と、商工業や観光事業との連携をはかるとともに、いちごに続く、新たな特産物の選定に着手いたします。
 本市の貴重な財産・資源である農地については、従来よりも効率的で生産性の高い農業生産基盤を創出するため、越谷市農業協同組合と連携し、農地中間管理事業を活用するなど、中核となる担い手への農地の利用集積に取り組んでまいります。
 農業用水路や農道等の農業生産基盤の整備については、地元農業者をはじめ土地改良区などの関係機関と連携し、計画的かつ効果的に整備してまいります。
 農業従事・後継者育成支援については、本市における良質な農産物の生産を継続していくため、本市の伝統的農産物である、ねぎの栽培技術や農業経営手法の伝承、生産規模の拡大をはかるための支援体制を整備し、新規就農者の確保・育成に努めてまいります。
 雇用対策については、若年者等の早期就職を支援するため、専門のキャリアコンサルタントを配置して行う就職相談や各種相談業務、就職支援セミナーを実施するほか、金融機関と連携した人材育成事業やハローワーク越谷や県など関係機関との連携事業等のさらなる推進をはかり、雇用対策の強化に努めてまいります。

大綱6「いきいきとだれもが学べる心豊かなまちづくり」について
 教育施策については、総合教育会議において教育委員会と調整をはかりながら、第2期越谷市教育振興基本計画に基づき、総合的かつ計画的に推進してまいります。
 学校図書館については、児童生徒の読書活動を一層推進するため、専門の資格を有する学校司書の増員と資質向上に努めてまいります。
 環境教育については、小学校全30校において越谷生物多様性子ども調査を実施するなど、環境問題を意識した教育活動を推進してまいります。
 伝統文化を尊重し国際性を育む教育については、郷土への愛着を深めるとともに、平成32年度からの小学校における英語の教科化を見据え、語学指導助手による指導期間を拡充するほか、小学校教員の外国語指導力の向上をはかるなど、英語教育の環境づくりを推進してまいります。
 防災教育については、東日本大震災や本市において発生した竜巻による被害から得た教訓を活かし、平成29年度から毎年「学校防災の日」を定め、全小中学校において一斉に避難訓練や引き渡し訓練を実施してまいります。
 いじめや不登校対策については、越谷市いじめ防止基本方針を踏まえた生徒指導や教育相談の充実に努め、児童生徒が安心して学校に通えるよう支援してまいります。
 学校給食センターについては、学校給食を安定して継続的に提供するため、施設・設備の計画的な整備・更新および適切な維持管理に努めてまいります。
 特別支援教育については、一人ひとりのニーズに応じた支援を行うため、特別支援学級の適切な設置と、特別支援教育支援員の増員および効果的な配置に努めてまいります。
 義務教育施設については、安全・安心・快適な学習環境を確保するため、老朽化の進む施設の計画的な改修や、国庫補助金を活用した繰越事業として、大規模地震に備えた屋内運動場等の非構造部材の改修工事を実施してまいります。また、通学区域内の児童数の急激な増加に対応するため、明正小学校に仮設教室を増設いたします。さらに、全小中学校の普通教室等へのエアコン整備を一括して行うとともに、小学校トイレの洋式化などの施設改修を実施してまいります。
 教職員の資質の向上については、多忙化する教職員の健康管理を徹底するため、在校時間の適正な管理やストレスチェックを行うとともに、教育の質の向上や校務の効率化をはかるため、校務支援システム等を更新してまいります。
 生涯学習活動については、多様化する市民の学習ニーズに的確に対応し、一人ひとりの自己実現につながるよう、市民との協働による生涯学習フェスティバル等を開催してまいります。また、学習成果を地域社会に活かすことができるよう、生涯学習リーダー・ボランティア養成講座を開催し、人材育成の支援に取り組んでまいります。
 科学技術体験センターについては、理科や科学に対する児童生徒の興味・関心を高めるため、実験などの科学体験メニューの充実をはかり、学校教育との連携に努めてまいります。
 図書館については、市民団体等との連携・協力関係を密にし、本館や各図書室、地区センター・公民館における「おはなし会」の充実に努めるなど、子どもの読書活動を推進してまいります。
 スポーツ・レクリエーション活動については、市民の健康・体力づくりを目的とした各種イベントや大会を開催するとともに、高齢者や障がい者の健康づくりを支援するため、福祉施設等への出前講座やスポーツ教室を実施してまいります。

 以上、大綱に沿って申しあげましたが、現下の厳しい財政状況の中、これらの施策を着実に推進していくため、より一層、効率的かつ効果的な行財政運営に努めるとともに、第4次越谷市総合振興計画後期基本計画の適正な進行管理を行い、平成30年度から32年度までの3年間を計画期間とする第二期実施計画を策定してまいります。
 また、まち・ひと・しごと創生に向けた人口減少対策として、越谷市総合戦略に掲げる施策を推進するとともに、適正な進行管理を行ってまいります。
 さらに、本市は平成30年11月に市制施行60周年を迎えます。平成29年度は、その準備期間として、市民の皆さまとの協働により、この節目を祝うための催しを企画し、平成29年11月から1年間、さまざまな記念事業を展開してまいります。
 私は、今後も、「安心度埼玉№1の越谷」と「市民が誇れる越谷」の2つをまちづくりの基本理念とし、「行政は市民のため」という認識を全職員と共有し、越谷市自治基本条例と第4次越谷市総合振興計画に基づく市政運営に全力で取り組んでまいります。
 議員の皆さま、市民の皆さまには、限りないご助言とご指導、そしてご協力を重ねてお願い申し上げます。


教育行政方針(全文)

 昨年8月に行われたリオデジャネイロオリンピックの競泳女子200メートルバタフライで、越谷市出身の星奈津美さんが、2大会連続の銅メダルに輝くという快挙を達成しました。最後まで諦めないその姿は、越谷市民だけでなく、日本国民に夢と感動を与えてくれました。
 その後の会見において、星さんは、「小さな頃からオリンピックという舞台に憧れ、その夢をかなえるために家族らがずっと支えてくれた。自分ひとりの目標ではないと感じて頑張ることができた。競泳は自分自身そのもの」という旨のお話をされておりました。星さんの言葉は、常に日本競泳女子の先頭に立ち、重圧を一手に引き受けてきた責任感と、幼い頃からの夢を実現する、その原動力ともなった家族や仲間、指導者への感謝の気持ちであふれておりました。純粋で真摯(しんし)な人柄だからこそ、星さんは栄光を掴(つか)み取ることができたのだと感じました。
 スポーツの分野に限らず、人が目標に向かって努力し、くじけそうになったときも諦めずにやり遂げ、そして、その結果として栄光を勝ち取るには、幾多の困難を自ら乗り越える必要があります。そのためには、本人が強い意志をもち、自分を信じることが最も大切であり、また、周りの人たちがその人を信じ、支え、心から応援することが何よりも大きな力となります。日本の将来を担う子どもたちが、星さんのように夢や希望の実現に向かって努力し続けられるよう、教育委員会と学校・家庭・地域が一つになって子どもたちを見守り、育てていく必要があることを改めて認識したところです。
 こうした視点も踏まえ、平成28年度からスタートした第2期越谷市教育振興基本計画に基づき、だれもが夢に向かって輝けるよう、「生涯学習社会の実現をめざして」という基本理念のもと、学校教育・生涯学習・生涯スポーツの3つの分野における基本目標を柱に、教育施策の一層の充実と効果的な推進に努めてまいります。
 それでは、以下、第2期越谷市教育振興基本計画の基本目標に沿って主要な施策を申し上げます。

基本目標1「生きる力を育む学校教育を進める」について
 変化の激しいこれからの社会において、子どもたち一人ひとりが自らの力で人生を切り拓(ひら)いていくためには、我が国や郷土の伝統文化をよく理解したうえで、自分の理想を実現しようとする高い志をもち、夢に向かって粘り強く学んでいく姿勢が大切です。このことから、子どもたちが自立して生きていくための基礎となる確かな学力・健康な心と体など、「生きる力」を育むことをめざし、保護者や地域から信頼され、学校・家庭・地域が一体となった質の高い教育を推進してまいります。
 学校教育における主要な施策ですが、ICTを活用した教育については、児童生徒の学力の向上や情報活用能力の育成のため、ICT機器を活用した、より分かりやすい魅力ある授業が行えるようにするとともに、児童生徒の課題に合わせた学習支援ができるよう、自学自習システムの活用をはかってまいります。また、情報モラル教育については、児童生徒がパソコンやスマートフォン等を正しく有効に活用できるよう、授業や教職員研修、家庭・地域を対象とした講演を行うとともに、中学生が中心となって作成した「スマホ・ケータイの『共有ルール』」の普及・啓発をはかってまいります。
 学校図書館については、児童生徒の読書活動を一層推進するため、専門の資格を有する学校司書を増員するとともに、その資質向上や司書教諭・学校図書館運営ボランティアとの連携強化を目的とした研修会を実施してまいります。
 小中一貫教育については、学力の向上・中1ギャップの解消・自己肯定感の高揚を目的として、小中学校9年間を見通した連続性のある系統的な指導を展開するため、各中学校区を単位として全小中学校へ研究指定・研究委嘱を行い、その研究・実践を支援してまいります。また、指導内容および指導方法については、各種学力調査の結果を活用し、工夫改善に取り組んでまいります。
 教科用図書の採択については、「特別の教科 道徳」の小学校教科用図書の採択年度であることから、公正性・透明性を確保した教科用図書選定委員会による綿密な調査研究を行い、教育委員会の判断と責任により適正かつ公正に進めてまいります。
 環境教育については、主体的に環境保全活動に取り組む態度を育むため、小学校全30校において越谷生物多様性子ども調査を引き続き実施するなど、環境問題を意識した教育活動を推進してまいります。
 伝統文化を尊重し国際性を育む教育については、郷土への愛着を深めるとともに、平成32年度からの小学校における英語の教科化を見据え、児童の英語への興味・関心やコミュニケーション能力が高まるよう、語学指導助手による指導期間を拡充するほか、小学校教員の外国語指導力の向上を目的とした研修会を実施するなど、英語教育の環境づくりを推進してまいります。
 防災教育については、児童生徒が自らの判断に基づいて行動し安全を確保できるよう、各小中学校における防災訓練や防災学習の実施を支援してまいります。また、東日本大震災や本市において発生した竜巻による被害から得た教訓を活かし、平成29年度から毎年「学校防災の日」を定め、全小中学校において一斉に避難訓練や引き渡し訓練を実施してまいります。
 心の教育については、道徳教育の充実をはかるため、郷土の偉人や伝統文化などを取り上げた、本市独自の道徳副読本を新たに作成いたします。また、きめ細かな生徒指導を通して児童生徒の自己肯定感を高めることができるよう、教職員の指導力の向上を目的とする研修を実施してまいります。
 教育相談については、一人ひとりが明るく楽しい学校生活を送り、自己実現をはかることができるよう、スクールソーシャルワーカーや学び総合指導員を学校へ派遣するなど、相談体制の充実に努めてまいります。また、いじめの未然防止・早期発見・早期解消をはかるため、いじめの積極的な認知を重視した越谷市いじめ防止基本方針の改定や、教職員を対象とする出前研修会を実施してまいります。さらに、不登校児童生徒への支援については、教育センターにおける相談員や適応指導教室「おあしす」における学び総合指導員などの活動により、児童生徒の自立や学校生活への復帰を支援してまいります。
 学校教育における人権教育については、人権に関する知的理解のみならず、自分の大切さと等しく他の大切さを認めることができるような、児童生徒の発達段階に応じた人権感覚の育成に取り組んでまいります。
 健康教育については、児童生徒が生涯にわたって健康な生活を送るための基礎を培(つちか)うため、学校における健康診断や学校歯科医等と連携した研修会を実施してまいります。また、児童生徒の現代的な健康課題である食物アレルギーについては、教職員用の「アレルギー疾患対応マニュアル」を改訂し、安全管理の徹底に努めてまいります。
 学校給食については、昨今の食生活が柔らかい食べものに偏りがちなことから、児童生徒の「かむことの大切さ」に対する理解が深まるよう、「よくかんで食べよう」をテーマに、かみごたえのある食材や調理法を献立に取り入れてまいります。また、正しい食事のあり方や望ましい食習慣についての知識を身に付けられるよう、平成28年度に実施した食事に関する調査の結果を踏まえ、「朝食」を食育のテーマとする指導を実施してまいります。さらに、学校給食センターについては、真空冷却機や食缶洗浄機等、施設・設備の計画的な整備・更新および適切な維持管理に努めてまいります。
 多様な就学機会への支援については、経済的理由により就学困難と認められる児童生徒の保護者に対して就学費用の一部を援助するとともに、高校・大学等の入学資金の調達が困難な保護者に入学準備金の貸付を行い、教育を受ける機会の確保に努めてまいります。また、幼稚園教育への支援については、保護者の経済的負担の軽減をはかり、幼稚園への就園を奨励するため、幼稚園の設置者が保育料等を減免する措置に対して補助金を交付いたします。さらに、幼保小の連携については、幼児期の教育から小学校教育への円滑な学びの接続がはかられるよう、教職員・幼稚園教諭・保育士を対象とした研修を実施してまいります。
 児童生徒数が急増する、一部の小中学校区の見直しについては、関係機関への意見聴取、保護者や地域の方々との話し合いを十分に行い、適正に進めてまいります。
 特別支援教育については、一人ひとりのニーズに応じた支援を行うため、特別支援学級を計画的に設置するとともに、特別支援教育支援員の増員と効果的な配置に努めてまいります。また、個別的な教育ニーズのある児童生徒に対し、すべての教職員が適切に対応することができるよう、専門家による発達支援訪問指導や、特別支援教育に関する専門性の向上をはかる研修を実施してまいります。
 義務教育施設については、児童生徒の安全を守り、安心できる学習環境を確保するため、老朽化の進む施設の計画的な改修や、国庫補助金を活用した繰越事業として、大規模地震に備えた屋内運動場等の非構造部材の改修工事を実施してまいります。あわせて、通学区域内の児童数の急激な増加に対応するため、明正小学校に仮設教室を増設いたします。また、快適な学習環境を整えるため、全小中学校の普通教室等へのエアコン整備を一括して行うとともに、小学校トイレの洋式化などの施設改修を引き続き実施してまいります。
 教職員の資質の向上については、社会の変化に的確に対応した教育指導の実現をめざし、教職員の資質や指導力を高めるため、研修方法の工夫改善に努めてまいります。また、多忙化する教職員の健康管理を徹底するため、在校時間の適正な管理やストレスチェックを行うとともに、教育の質の向上や校務の効率化をはかるため、校務支援システム等を更新してまいります。
 地域に根ざした特色ある学校づくりについては、地域の教育力を活用し、地域との強い絆で結ばれた学校づくりを展開するため、コミュニティ・スクールの指定に向けた先行研究を実施してまいります。また、全小中学校における学校応援団の活動をさらに充実させるため、児童生徒への学習支援を行う退職教員ボランティアや学生ボランティアの制度を創設し、その活用を推進してまいります。

基本目標2「生涯にわたる学びを充実し、地域の文化を創造する」について
 市民一人ひとりが、その生涯において目標を見つけ、自己実現を果たすことができるようにするためには、自主的に学びを継続し、学んだ成果を地域社会に活かすことができるような環境づくりに取り組むことが重要です。このことから、生涯にわたる学びの機会の充実に努めるとともに、生涯学習の担い手となる人材の育成に取り組み、循環型生涯学習社会を推進してまいります。また、伝統文化や文化財などに触れる機会を充実し、郷土への愛着心を育み、地域文化の振興に努めてまいります。
 生涯学習における主要な施策ですが、生涯学習活動については、多様化する市民の学習ニーズに的確に対応し、一人ひとりの自己実現につながるよう、市民との協働や関係機関との連携により、生涯学習フェスティバルやこしがや市民大学を企画・運営してまいります。また、ライフステージ・ライフスタイルに応じて主体的に学ぶことができるよう、公民館における各種学級・講座を開催するなど学習機会の充実に努めるとともに、学習成果を地域社会やまちづくりに活かすことができるよう、生涯学習リーダー・ボランティア養成講座を開催し、人材育成の支援に取り組んでまいります。
 社会教育における人権教育については、人権問題に関する正しい理解と認識を深め、すべての人が生まれながらにもっている基本的人権が尊重されるよう、関係機関との連携により講演会や講座等を開催し、人権・同和教育の普及・啓発に努めてまいります。
 あだたら高原少年自然の家については、子どもたちが自然とのふれあいを通して自立心や社会性を養うことができるよう、学校行事における自然体験学習の場として活用するほか、一般利用を含め施設の利用促進に努めてまいります。
 科学技術体験センターについては、理科や科学に対する興味・関心を高め、創造性豊かな児童生徒を育成するため、学校利用における、実験や工作などの科学体験メニューの充実に努めてまいります。あわせて、センターのメニューを学校でも体験できるよう、教職員用の指導マニュアルを新たに作成し、実験機材等の「アウトリーチ教材」の利用促進をはかってまいります。また、子どもから大人まで、すべての人が科学の楽しさや面白さを感じることができるよう、それぞれの年代に応じた魅力的な科学体験事業の充実に努めてまいります。
 図書館については、みどりに囲まれた本館を中心に、駅近くに立地し利便性の高い3つの図書室の緊密な連携をはかり、一体的・効率的にサービスを提供するとともに、図書館システムを活用し、情報発信と資料管理の充実や、利用者の利便性の向上に努めてまいります。また、学校や市民団体等との連携・協力関係を密にし、すべての学童保育室への移動図書館の巡回を継続するとともに、本館と各図書室、地区センター・公民館における「おはなし会」の充実や、読み聞かせボランティア等の人材育成に努めるなど、子どもの読書活動を推進してまいります。さらに、移設・拡充した南部図書室は、より多くの方々に利用されるよう、「健康・医療コーナー」をはじめとする蔵書の整備や、「こども図書室」の利用推進などに努めてまいります。なお、開館から30年以上が経過している本館については、バリアフリー化の推進を含む計画的な改修に努め、施設機能の維持・向上をはかってまいります。
おはなし会
図書館等で開催している「おはなし会」

 芸術文化については、市民が日頃の活動の成果を発表できる機会の充実をはかるため、越谷市民文化祭および越谷市美術展覧会を開催するほか、文化総合誌「川のあるまち」を発行いたします。
 特色ある地域文化については、郷土芸能を後世に継承するため、越谷市郷土芸能祭や郷土芸能体験教室を開催し、発表と体験の場を提供してまいります。また、伝統文化への理解を深め、地域に対する愛着や誇りを育むため、こしがや能楽堂を拠点に薪能(たきぎのう)や能楽体験教室を開催し、鑑賞と体験の機会を提供してまいります。特に、こしがや能楽堂については、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、外国語版リーフレットを作成するなどのPRを行ってまいります。
 文化財の保存と活用については、昔の生活様式などを学ぶことができる貴重な歴史的資料として後世に継承するため、引き続き大道遺跡の発掘調査を行い埋蔵文化財の保護に努めるとともに、発掘調査の体験など実際に見て感じられる機会を提供してまいります。また、大間野町旧中村家住宅および旧東方村(きゅうひがしかたむら)中村家住宅については、学校の社会科見学、公民館や自治会等の事業における、郷土に関する学習の場として活用してまいります。

基本目標3「生涯にわたりスポーツ・レクリエーションに親しめる環境をつくる」について
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、日本全体の機運が盛り上がる中、本市においても、より多くの市民が諸外国の一流選手を身近に感じ、「みるスポーツ」、「支えるスポーツ」を心から楽しむことができるよう、同大会の事前キャンプ地の招致に取り組んでまいります。また、これを機会に「するスポーツ」の楽しみについても改めて認識しつつ、健康の維持・向上や健康寿命の延伸をはかることができるよう、スポーツ・レクリエーション活動の推進に努めてまいります。
 生涯スポーツにおける主要な施策ですが、健康ライフスタイルづくりの支援については、子ども連れでも安心してスポーツ・レクリエーション活動ができるよう、スポーツ教室等に臨時保育室を設置してまいります。また、高齢者や障がい者が、無理なく活動に参加し運動習慣を身に付けることができるよう、福祉施設等への出前講座やスポーツ教室を実施してまいります。さらに、日頃運動する機会の少ない市民が楽しみながらスポーツを続けられる契機となるよう、スポーツ活動やイベント参加者を対象とするスタンプラリーを新たに取り入れてまいります。
 スポーツ・レクリエーション活動を支援する体制については、市民との協働によるスポーツ・レクリエーション活動を推進するため、スポーツボランティア制度およびスポーツリーダーバンク制度の周知に努め、人材の養成や登録者数の拡大をはかるとともに、各種大会やイベント、スポーツ教室等における登録者の活用を促進してまいります。  スポーツ・レクリエーション施設については、利用者が安心して快適にスポーツ・レクリエーション活動を楽しめるよう、施設・設備の安全点検や計画的な改修を行うなど、環境整備に努めてまいります。また、全国レベルのスポーツ大会の誘致や、東京オリンピック・パラリンピックの練習会場としての招致など、幅広い活用を行ってまいります。

 以上、平成29年度の主要な施策について申し上げましたが、平成28年10月に開催された政府の教育再生実行会議において、教育は学校だけで全(まっと)うできるわけではなく、学校・家庭・地域がそれぞれの役割を果たし、『社会総がかり』で子どもを育むことが大切である、ということが述べられております。また、以前からの課題として、地域社会のつながりの希薄化などを背景とした家庭・地域の教育力の低下や、諸外国と比較して日本の子どもたちの自己肯定感が低いことなどを挙げております。
 越谷市教育委員会といたしましても、こうした課題を克服し、将来を担う子どもたちが自ら夢や希望、目標をもって自己実現を果たすことができるよう、学校・家庭・地域が一体となって子どもたちの学びを支えていける環境づくりが必要であると考えており、その実現に向け、第2期越谷市教育振興基本計画に基づき、さまざまな教育施策を総合的かつ計画的に推進してまいります。
 結びに、「まちづくりは人づくり」という認識のもと、生涯学習社会の実現をめざして、教育行政の公正かつ適正な運営に努めてまいりますので、議員の皆さま、市民の皆さまには、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ページ上部へ戻る

×
越谷市チャットボット