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越谷市 Koshigaya City

現在地

更新日:2020年6月3日

ページ番号は58584です。

劇団四季俳優 石橋杏実さん

ヒロイン・リズと同じように、私にとっても舞台は心が解放される場所。

 現在上演中の劇団四季の新作ミュージカル『パリのアメリカ人』。この作品で初めてヒロインに抜てきされたのは、平成27年入団で越谷市出身の石橋杏実さん。豊富なバレエ経験を生かした圧倒的なダンスパフォーマンスと繊細な表現力が話題を呼んでいます。

衝撃的だった『キャッツ』との出会い

 3歳からバレエを始めた石橋さん。5歳のときには越谷サンシティで行われた発表会で、初めてソロで踊りを披露。
 「母に勧められて習い始めたのですが、最初はイヤでイヤで、半分泣きながらやっていました。それでも5歳のとき初めてソロで舞台に立って踊ったときは、快感でしたね。それからバレエを楽しめるようになった気がします」
 ソロで踊る機会が増えるなど、バレエ教室では中心的な存在となっていった石橋さんですが、将来バレリーナになりたいと
は思っていなかったそう。そんな石橋さんが本気でバレエに打ち込もうと思うきっかけは、ある舞台との出会いでした。
 「中学2年のとき、母に連れられて劇団四季の『キャッツ』を見たんです。オープニングから猫が客席に現れて目の前を行き来する。客席を含めて劇場全体が舞台のようで、とにかくエネルギッシュでパワフル。踊りでこんな表現ができるんだ! というのが衝撃的でした。それまで私はバレエの舞台しか見たことがなくて、美しい絵画を眺めるように見るのが舞台だと思っていたので、その印象がガラッと変わって、私はこれがやりたい! と思いましたね」
 そこから劇団四季に入団するためにはどうしたらいいかを調べ、バレエという得意分野を生かすことが近道になると知り、真剣にバレエの技術を磨こうと決意します。

卒業直前に合格 夢の場所へ

 毎回多くの人が集まるという劇団四季のオーディションは、書類選考を通過するだけでも至難の業。そこで石橋さんは、少しでも目に留まる経歴を得るために、イギリスへのバレエ留学を決断します。
 「留学の一番の収穫は表現力がついたこと。生徒たちは常に自分の気持ちを表現する踊りを考えていて、例えば誰かのケータイが鳴ると、そのメロディに合わせていきなり踊り出したりするんです。こういう自己表現は日本では学べなかったのではないかと思います」
 バレエはもちろん、歌や演技も学んだ3年間。その成果が実を結びます。卒業1カ月前に開かれた劇団四季のオーディションに見事合格。帰国し2週間後には、劇団員として歩み出しました。「初めて稽古場に行ったときは、私が客席から何度も見ていた憧れの俳優がすぐそこにいることに感激して、夢の場所に来たんだ! とうれしさが湧いてきました。それと同時に感じたのは、ここはプロの世界だということ。いち生徒であったバレエ学校とは違い、劇団四季ではすべて自分次第。上手くもなれるし、手を抜けば劣化するということ。気を引き締めなければいけないなと」

ダンスだけでなく三拍子揃った俳優に

 今年1月に開幕した日本初演となるミュージカル『パリのアメリカ人』。石橋さんはこの作品のヒロイン・リズ役の一人に大抜てきされました。
 「選ばれたことは、ただビックリの一言。まだまだ新人の私が初演の作品でヒロインができるかな? という不安が何よりも大きくて。幕が開いて舞台に立つたびに課題が見つかって反省と研究の日々ですが、試行錯誤しながら挑戦し続けることで、少しでもいい作品にしていきたいと思っています」
作品の見どころを伺うと、「振り付け一つ一つに意味があって、踊りだけで物語が展開していく場面が随所にあるのが、この作品の特徴です。美しい踊りの裏側には友情と恋愛、そして戦争という重いテーマが盛り込まれていて、暗い状況でも明るく生きていこうという願いが込められたストーリーは、今の世の中にも通ずるものがあると思います。ヒロインのリズはその生い立ちから、警戒心が強い女性。でも踊っているときだけは心が解放されて、伸び伸びと自分らしくいられる。実は私自身の性格も踊りに対する感覚も、リズと共通するところが多いです。私も舞台で踊っているときはものすごく解放的な気分になれるんです」
 石橋さんは今回の出演で、ダンスだけでなく芝居や歌の楽しさも改めて知ったといいます。
 「芝居・歌・踊りの三拍子が揃うのがミュージカル。とても奥が難しいですが、チャレンジしがいがあってすごく楽しい! これからもっともっとレベルアップしていきたいです」

越谷のみなさんにミュージカルの楽しさを

 越谷で生まれ育った石橋さんは、越谷の人たちにもっとミュージカルを楽しんでほしいと言います。
 「私も子どもの頃から地元の盆踊りが大好きですし、阿波踊りも盛んな越谷は踊り文化が根付いていますよね。だから見る機会があれば、皆さんにもミュージカルを好きになってもらえると思うんです。『パリのアメリカ人』は現在横浜での公演で、越谷からは少し遠いですが、足を運んでもらえたらうれしいです。それから劇団四季には全国ツアー公演もあり、越谷市内のホールにもお邪魔させていただいています。私もいつかはそのチームで越谷の舞台に立って、地元のみなさんに劇団四季のミュージカルの楽しさを直接お伝えしたいです」
 生き生きとした笑顔が魅力的な石橋さん。これからさらにミュージカルの世界で輝いてくれることでしょう。

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広報こしがや季刊版 令和元年夏号(令和元年6月15日発行)に掲載

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