更新日:2014年9月10日
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リュート奏者 櫻田亨さん 声楽家 三浦玲子さん
いにしえの音色を歌と弦に乗せて奏でるご夫妻は、音楽を自然体で身近なものとして紹介しています。
(広報こしがや季刊版平成18年冬号に収録)
時代・ひと・場所との出会い。音楽が結ぶ「一期一会」を大切にしたい
中世から18世紀まで宮廷でちょう愛を受けたリュートという楽器は、イスラム圏の楽器「ウード」が祖先といわれています。また、「ウード」がシルクロードを通り、中国で「ピパ」、日本で「琵琶」となったとも伝えられています。西欧の古楽器リュートの音色は、柔らかで優しく、ハープのように多彩です。日本ではまれなリュートのプロ奏者を志した亨さん。
「高校3年生のときに、趣味で弾いていたギターをもっとやりたいと思い、音楽の道を目指しました」。リュートとの出会いは20歳のとき。師である佐藤豊彦先生のコンサートを聴いてやってみたいと思ったそうです。
また、リュート習得のためにオランダ王立音楽院へ留学中、声楽家を志して同校へ留学していた奥様の玲子さんと出会いました。「歌とリュートを組み合わせた楽曲はたくさんあります」と玲子さん。お二人は、アンサンブルで同じグループになり、友達から大切なパートナーに変わっていったそうです。
帰国後に結婚。音楽活動の拠点として、亨さんの叔父様が住む越谷を選びました。「首都圏に近いので演奏活動にも便利ですし、芸術に興味を持ってくださる方も多いです。温かく迎えてくれる気質があるようですね」
櫻田亨さん三浦玲子さんご夫妻
リュート
宮廷では、女王が眠りにつくときに枕元で爪弾かれたというリュート。「コンサートホールで演奏会やオペラの伴奏などもしますが、いちばんリュートの良さが伝わるのは近くで聞いていただくこと」と亨さん。越谷では、趣のあるスペースがあればその場所に合う音楽と組み合わせた企画を開催。「夏、喫茶店においしいカキ氷があると聞くと、そこで夕涼みの演奏会をしたり、お寺で『花鳥風月』を題材に、西欧の楽曲や日本の歌を演奏したりしています。そういう企画を楽しんでくれる人がいるところが越谷の良さですね」と、越谷ではお二人での活動も多いと話します。
現在は、自宅で音楽教室も開設。楽器を習いにきて、声楽に目覚める方も多いそうです。「歌は人間にとって究極の欲求であり、喜びでもあります。うれしいときはつい鼻歌がでてしまうでしょう?」と玲子さん。「自分の声で音楽を奏でる喜びというのは格別でしょうし、そのお手伝いができるのは楽しいですね」
亨さんは、今年3月にリュートのソロCDを録音する予定(2006年1月現在)。古楽という音楽に新しい試みを展開されるお二人は、自ら音楽を楽しむ姿がとても生き生きとして魅力的でした。
2005年9月に行われた市内でのコンサート
プロフィール
1997年オランダから帰国と同時に結婚、越谷に移り住む。亨さんは秋田県出身。オランダのデン・ハーグ王立音楽院を卒業。滞欧中は、ヨーロッパ各地でオペラやコンサート等で活躍する。帰国後はリュート・ギターのソリストおよび通奏低音奏者のほか専門学校等で講師など活動を広げる。サクラダ音楽教室(ギター・リュート・ピアノ・声楽)主宰。玲子さんは北海道出身。東京
芸術大学卒業後、デン・ハーグ王立音楽院およびアムステルダム・スウェーリンク音楽院を修了。帰国後は主にリュートやギターと共にコンサートを行う。
櫻田亨のリュートレッスン
ホームページアドレス http://www.geocities.jp/torulute/
広報こしがや季刊版平成18年冬号に収録
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