更新日:2014年9月10日
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ハープ奏者 田中 淳子さん
田中淳子さんは15歳からハープを始め、音大卒業後、ハープ奏者として幅広く活躍してきました。15年前、出産を機に越谷に移り住み、音楽と子育てを両立しています。「ハープの音色を通して、これからも多くの方々とつながりを持ちたい」と言う田中さんに、ハープの魅力と越谷への想いを伺いました。
(広報こしがや季刊版平成15年秋号に収録)
人の温もりを感じる越谷でハープの音色を奏でていきたい
田中さんとハープとの出会いは、中学生のとき。雑誌でハープの写真を見て、
「あぁ、きれいな楽器だな、と心をひかれたんです。その後テレビで音色を聴き、ハープを習いたいという思いが募りました」
地元(長野)にハープの教室がなく、高校に進学してから月に2回、東京まで片道4時間かけてレッスンに通ったそうです。田中さんが師事したのは、ウィーン出身で戦後まもなく来日し、日本のハープ界の礎を築いたヨセフ・モルナール氏。第一線の演奏家であるとともに、多くのハープ奏者を育ててきた方です。
「一番初めに基本となる弦の弾き方を先生に見ていただけたのは、本当にラッキーでした」
ハープは47本の弦からなり、音域はピアノとほぼ同じ。弦はピアノの白鍵のように並んでいて、♯(シャープ)と♭(フラット)は7本のペダルを踏んで出すそうです。
「1本の弦に対してペダルが3つ対応するので、曲によってはすごく足が忙しいん
ですよ。一見優雅な演奏スタイルで、ドレスで隠されているけれど、水面下で足をばたばたさせている白鳥みたい、とよく言われます」
ハープの一番の魅力とは何でしょうか。
「やっぱり音色ですね。何ともいえないきれいな音。よく琴線を揺さぶられると言いますが、弦を直接弾くことで、そういう効果が生まれるのかな、という気がします」
これまで、ハープのアンサンブル「東京ハープシンフォニー」に所属して全国各地で演奏するほか、坂本龍一さんをはじめ、さまざまなポピュラーコンサートにも参加するなど、幅広い活動をしてきた田中さん。現在は越谷西高校をはじめ、埼玉県内の高校・大学の吹奏楽部のハープ指導にあたるなど、地域での活動にも力を注いでいます。
さわやかに語る田中淳子さん
平成14年は姉妹都市のキャンベルタウン市から来日したバグパイプバンドのコンサートでも演奏しました。
また、平成16年秋には宝田明さん主演のミュージカル「ファンタスティックス」で演奏することが決まっているそうで、「とてもすてきなミュージカルなので、今からわくわくしています」とのこと。
「越谷には夫の通勤に便利という理由で越してきました。それが、子育てをしながら仕事を続ける中で、地域の皆さんの助けをたくさん借りるなど、人とのつながりで、かけがえのない場所になりました。これからも、この越谷でたくさん感じる温かい気持ちを大切にし、わたし自身も聴いてくださる方の心に寄り添うような演奏ができればと思っています」
コンサートで演奏中の田中さん
プロフィール
1960年長野県諏訪市生まれ。88年に越谷市に転入。幼少時にピアノを習い始め、高校時代からハープの第一人者ヨセフ・モルナール氏に師事する。国立(くにたち)音楽大学でハープを専攻し、卒業後「東京ハープシンフォニー」への参加をはじめ、ハープ奏者として幅広く活躍。2004年秋(10・11月)公演予定の宝田明さん主演のミュージカル「ファンタスティックス」に出演。夫と長男・長女の4人家族。
広報こしがや季刊版平成15年秋号に収録
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