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漫画家 手丸かのこ/てしばまさみさん
家族といっしょに楽しく過ごす越谷での暮らしこそがわたしの漫画の原点です
2児の母としての日常生活を大事にしながら、漫画家としての活動を続ける手丸さん。仕事の時間が子どもたちの眠る深夜に限られるのは、家族との時間を大切にしているため。ご家族のこと、ご両親のこと、母子共通の趣味のこと、それからもちろん漫画のこと。仕事場でもあるご自宅でお話を伺いました。
手丸かのこ/てしばまさみさん
プロフィール
越谷市相模町生まれ。東越谷小、中央中、春日部女子高校を経て、都内の美術専門学校を卒業。第29回小学館新人コミック大賞に入選し、漫画家としてデビュー。代表作に「あなたに花束を」「パパのぬいぐるみ(てしばまさみ)」、「おじゃる丸(原案:犬丸りん)」、「開運!ハズレ妻」、「男の子がわからないママのための31のアドバイス」、「おれたちロケット少年」、「ポップコーン天使」などがある。
挫折が生んだ漫画家デビュー
「ここにはもう来ない方がいい、来てもプロにはなれないから」と、手丸さんの作品を読んだ編集長からのひと言。このとき、手丸さんは22歳。美術の専門学校を卒業後、漫画家としての一歩を踏み出そうと、某出版社の雑誌編集部へ通い、作品の持ち込みをしていました。
「ショックでした。あの日は大雪でしたが、どうやって家に帰ったのかも覚えていないくらい…」
1週間ほど悩んだ末、漫画家をあきらめて新聞社のイラストレーターになる決心をし、作品を持って面接に行きました。ところが…。
「『うちの会社には入らない方がいい』と、また同じことを言われたんです。ただ、その方は『君はうちにはもったいない。君は漫画家になれる。漫画家を目指しなさい』と言ってくださって…」
思いがけず希望の光が見えたその帰り道、ふと手にした雑誌で小学館新人コミック大賞の募集を知りました。そして、編集長に見てもらった作品をそのまま応募すると、みごと佳作に入選。さらに、入選作とはまったく違う画風で描いた作品も編集者の目にとまり、別の雑誌で連載が決定します。入選作は「てしばまさみ」、そしてもう1つの作品は「手丸かのこ」と、2つのペンネームで同時デビューを果たしたのです。
「プロになれたのは編集長と新聞社の方のひと言のおかげ。自分の作品に合った出版社や雑誌に出会うことの大切さに気づきました」
ふるさとの越谷で、家族と過ごす幸せな時間
太郎兵衛もちは、11月中旬から市内3カ所の農産物直売所で販売予定
20歳のころ、越谷市青少年相談員のボランティアを始め、児童館コスモスのこどもの日イベントで似顔絵を描いたり、越谷の名産品「太郎兵衛もち」やボランティア情報ピュア(越谷市社会福祉協議会発行)のイラストを手がけたりと越谷との関わりが深いです。
「わたしね、越谷が大好きなんですよ。子どものころから漫画家になることと、越谷に住み続けることが夢だったんですから」
今では、2つ目の夢もかなえ、ご主人と2人の娘さんと、越谷で暮らしています。手丸さんが家族を大事にするのも、漫画家になる夢を応援してくれたご両親の影響が大きいと話します。勉強しなさいとは言わず「漫画描いてる?」が口ぐせだった母、就職を考えたとき「漫画家への道が開けたときに安定した暮らしから抜け出せないぞ」と助言してくれた父、こんな親になりたいと思ったそうです。
「実は、娘と3人で空手を習っています。けがをしたら困ると思ったけど、始めたら楽しくて今は空手が大好きです。でも、始めてから7年間、一度も試合に勝ったことがないんですよ。娘の方が強いんです。それなのにやめようとは思わないの、ヘンでしょう?」と笑いました。さて、なぜでしょう。
夢を持ち、実現に向けてあきらめないこと
仕事場での手丸かのこ/てしばまさみさん
現在、来年発行予定の新作を2本抱える手丸さん。市民の皆さんへのメッセージを伺うと、
「夢を持ちましょう。夢さえあればどんなに苦しいことも乗り越えられるはずです。そして、あきらめないこと、実現するためのあらゆる方法を探すこと。実はね、空手を続けるのも、あきらめないことの大切さを娘たちに見せてあげたいと思ってのことなんです」
ご自身の漫画が、あこがれを描くことからしだいに飾らない日常を描くことに変化してきたといいます。この先も、家庭の温もりや日常の楽しさを再発見させてくれる作品を期待しています。
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広報こしがや季刊版平成22年秋号に収録
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