更新日:2025年11月21日
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【コラム】女性に対する暴力撤廃の国際デー(11月25日)と姉妹都市キャンベルタウン市の取り組み
11月25日は「女性に対する暴力撤廃の国際デー」です
配偶者等への暴力(DV)、性犯罪・性暴力、ストーカー行為、売買春、人身取引、セクシュアルハラスメント等の暴力は、重大な人権侵害であり、決して許されるものではありません。1999年、国連において11月25日が「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に制定されました。この日を中心に、世界規模でジェンダーに基づくあらゆる暴力を根絶するための取り組みが行われます。
SDGsとジェンダー平等
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核となる17の達成目標"SDGs"の一つに「ジェンダー平等」が掲げられています。そして、ジェンダー平等実現のため、EU(欧州連合)と国連は「女性と女児に対するあらゆる形態を暴力をなくす」ことを、複数年にわたる世界規模での取り組みの中心に据えています。
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11月12日から25日は「女性に対する暴力をなくす運動」
日本では、平成13年に政府の男女共同参画推進本部(内閣府その他府省庁によって構成)により、毎年11月12日から11月25日(女性に対する暴力撤廃国際日)までの2週間を「女性に対する暴力をなくす運動」期間とすることが決定されました。期間中は日本各地で、ランドマークとなる建物や施設などを紫色にライトアップする「パープルライトアップ」や、DVに関する講演会、展示などが行われます。
越谷市においても市役所や「ほっと越谷」におけるパープルライトアップ、DV防止啓発講座やパネル展示を実施しています。

越谷市役所におけるパープルライトアップ(2025)
なぜ「パープル(紫)」?
紫色のリボンが「女性に対する暴力をなくす」ためのシンボルとして使われるようになったのは、1994年に行われたアメリカの小さな町での性暴力や虐待被害者の集会がはじまりと言われています。その後、この運動は「女性や女児に対する暴力を許さない」という強いメッセージとともに世界各国に広がりました。紫は「尊厳」や「威厳」を表す色とされています。

11月25日から12月10日「ジェンダーに基づく暴力に対する16日間の積極的な行動」
日本では11月25日を最終日とする2週間のキャンペーンとしていますが、世界の多くの国では11月25日からスタートし、国連が定める「世界人権デー」である12月10日までの16日間を活動期間としています。このキャンペーンは“16 Days of Activism against Gender-Based Violence” (ジェンダーに基づく暴力に対する16日間の積極的な行動)と呼ばれ、国連事務総長をはじめとする関係機関や国のトップによるメッセージも発出されます。
テーマカラーは「オレンジ」
ご紹介のとおり、日本では「パープル(紫)」をシンボルカラーとした取り組みが中心ですが、“16 Days of Activism”では「オレンジ」がシンボルカラーとして使われます。国連やヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどでは、関係機関の庁舎や国会、市庁舎などをオレンジにライトアップしたり、オレンジ色のものを身に着けて活動に賛同しようという取り組みが行われています。
また、パープルとオレンジを組み合わせ、より強力なメッセージとして用いる場合もあるようです。
日本では、11月の「児童虐待防止月間」のテーマカラーである「オレンジ」を組み合わせた「パープル・オレンジのダブルリボン」も目にするようになりました。いずれにしても、暴力のない社会に向けた取り組みであることに変わりはありません。
キャンベルタウン市における取り組み
越谷市の姉妹都市であるキャンベルタウン市(オーストラリア)においても、11月25日から12月10日までの16日間を中心に取り組みが行われています。キャンベルタウン市では、Domestic Violence(DV:配偶者や元配偶者等からの暴力)だけでなく、家庭内暴力(Family Violence)を含めた"DFV"(Domestic and family Violence)に対するキャンペーンとして実施しています。
Driving Out Violence Convoy ~暴力追放のためのパレード~
キャンベルタウン市では毎年、16days of Activismの幕開けとして“Driving Out Violence Convoy”(DVコンボイ)と呼ばれる関係車両によるパレードを行っています。(Drive Out(ドライブ・アウト)には、「追放する」「排除する」という意味があります。)
パレードの車列には警察(州の管轄)、消防(州の管轄)、キャンベルタウン市、DV被害者支援の民間団体、地元FM局など、官民様々な関係機関が参加しています。沿道では多くの人がパレードに向かって手を振って活動に対する支援を表明し、それに応えるように車列はクラクションを鳴らしながら進んでいきます。
2025年のDVコンボイ(市庁舎前)

関係車両によるパレードと、沿道で手を振るキャンベルタウン市長、CEOをはじめとする市職員
ショッピングモールでのパレード
パレードは市内を巡りながら主要なショッピングモールに立ち寄り、モール内をプラカードを持って行進します。行進では、ダンス音楽が流れるスピーカーを先頭に、関係者が"Campbelltown say NO to Domestic and Family Violence!"(キャンベルタウン市はDFVを許さない!)と声を上げながら、店内を練り歩きます。

横断幕の掲出
"Campbelltown say NO to Domestic and Family Violence"(キャンベルタウン市はDFVをゆるさない)というメッセージが書かれた紫色の横断幕が、大通りに面したスポーツスタジアムや駐車場、公共施設前などに掲げられます。

パープルベンチ運動
もちろん、DVや家庭内暴力に関する啓発は、この16日間の間だけ行われるわけではありません。キャンベルタウン市内の公園には紫色のベンチやゴミ箱、図書館にも紫色のソファが設置されています。
2015年にカナダで始まったパープルベンチ・プロジェクトといわれる運動もまた、世界各地に広がるDVや家庭内暴力の啓発を目的としています。夫に殺害された女性を悼み、同じように暴力にさらされている女性を勇気づけサポートするため、目を引く鮮やかな色のベンチには相談先につながる二次元コードが表示されています。

もちろん、公共の場にあるベンチ、ソファはひと休みするため自由に座ることができますが、キャンベルタウン市立図書館では、図書館スタッフがパープルソファに座った人の話を聞き、必要に応じてサポート団体につなぐ役割も果たします。
あなたにもできることがあります
このように、越谷市やキャンベルタウン市を含む世界各地で、DVをはじめとするジェンダーに基づく暴力をなくすための取り組みが行われています。行政や関係機関が協力して、相談体制の整備や啓発などを行っていますが、もしDVや性暴力に気づいたり相談されたら、みなさんにもできることがあります。
まずは、あなたの考えや気持ちを押し付けず、寄り添って話を聞くことからはじめてください。そして、どんな理由があっても「暴力の責任は振るわれる側でなく振るう側にある」こと、年齢・性別を問わず相談できる窓口があることをを伝えてください。
このページに関するお問い合わせ
市長公室 人権・男女共同参画推進課(第三庁舎3階)
電話:048-963-9113
ファクス:048-965-8028


